岐路に立つ野党共闘 「日本共産党排除」は吉と出るか?
横浜市長選では共産党や社民党が山中竹春候補を支援するも、陣営とは距離感が…。
■山中陣営は共産党を”拒否”
じつをいうと、山中竹春候補は立憲民主党のみの推薦を受けている。日本共産党、社民党、新社会党からは、推薦はおろか支持すら受けていない。事実上の3党排除である。しかし、3党は推薦でも支持でもない“支援”という摩訶不思議な用語を使用して、山中候補を応援している。
関内駅近くにある山中事務所は共産党や社民党陣営が入るのを拒否。街宣車に共産党議員を立たせることはなく、告示日以降は共産党と山中氏が並ぶことは拒絶されている。社民党も同様だ。
同党の福島みずほ党首は8月4日の定例会見で「現地入りして山中さんを応援する」とぶち上げたものの宙ぶらりんとなり、山中候補と並んでマイクを握ることが実現する見通しはない。
山中陣営は共産党や社民党を締め出し、立憲民主党がすべて仕切っている。苦肉の策として、確認団体の事務所や街宣車には他党を入れているのが実態だ。
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■小此木陣営は共産党攻撃
ただ、山中陣営が意図的に共産党と距離を置く理由も分からないでもない。横浜市長選挙では複数の自民党市議がSNSで「(山中氏は)どうやらガチガチの共産党候補」「共産党丸がかえの候補は今後大量の物量を投入」と攻撃。
さらに、街頭でも前国家公安委員長の小此木八郎候補の陣営がマイクで「共産党の候補に負けるわけにはいかない」と訴えているのだ。
「山中竹春=共産党候補」と攻撃してくるのだから、あえて事実上の排除をするのも合理的な判断と言えるかもしれない。12日までの大手メディアによる期日前投票出口調査では山中候補がトップを走るから、今のところ作戦は成功していると言えよう。