菅義偉首相、岸田文雄幹事長で総裁選延期を画策も失敗か 戦えば岸田氏に勝算も
「衆院解散で総裁選延期」との観測気球も一日で萎み、有力候補の岸田前政調会長は戦闘モードのようだ。
■勝ち馬に乗った岸田氏
しかし、自民党の老獪な野中広務幹事長(当時)が宏池会の分裂を策動した。加藤氏と行動を共にする加藤派と反加藤・親野中の堀内派に分かれるわけだが、堀内派に行った若手の中心メンバーが岸田氏だった。
加藤の乱は鎮圧され、野党が不信任案を提出したが、加藤派・山崎派は国会近くのホテルに残り、国会に行かず、敗北したのであった。加藤氏に加勢した一人は菅義偉首相である。
堀内派は勝者となり、野中幹事長の後継として同派から古賀誠氏が幹事長に抜擢された。岸田氏は勝ち馬に乗ったのだ。そんなしたたかさ、臭覚を持ち合わせている。
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■誰が幹事長でも変わらない
野党はどう受け止めるのか。野党幹部の一人はこう語る。
「菅さんが総裁であれば誰が幹事長をやったところで、変わらない。野党としては菅総裁で続いてほしいというのが本音。菅さんが総裁の限り野党が勝てる。コロナの新規感染者は徐々に下がっていくかもしれませんが、重症化した人の数は増えている。はたしていつまで緊急事態宣言を続けるのか。選挙戦にまで突入したら自民党の大敗は目に見えている」
告示が17日だというのに、自民党総裁選は早くも過熱している。
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(取材・文/France10・及川健二)