東ちづる座長の『月夜のからくりハウス』が再び渋谷に 「今しかない、今やらないと」
女優・東ちづるさんが主催、2017年の初演も話題となった『月夜のからくりハウス』。3月公演のチケットは20分で完売したという。
■コロナ禍ならではの困難も
他にも構成に入っている小人プロレスについてなど、「対話を重ねて、私的にはすごく勉強になりました」と、東さんは語る。ボランティア活動に関わっていると、社会は変わっているものだと思ってしまいがちだが、「じつはまだまだこういうことなんだ」と気づかされた。
緊急事態宣言やまん防によって、撮影もたびたび中断。一番大変だったのは、大阪の高校生ダンスチームを東京に呼んだ時のこと。
大阪・東京とも緊急事態宣言だったため、学校・教育委員会とも許可が降りなかったが、理念に共感した校長が教育委員会と交渉したことで、緊急事態宣言が解除された翌日に15人の高校生が日帰りで上京。編集スケジュールがぎりぎり間に合う最終日だったという。
こうした感染防止策を徹底したため、スタッフ・出演者を含めた約400人の関係者からは1人の感染者も出なかった
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■世界に試された日本の多様性
この動画は東京オリパラの公式文化プログラム。つまり全世界に、その中には日本よりずっと多様な価値観を受け入れている国々にも、「今の日本が考える多様性」が試されることになる。
「最初はもっと『日本の多様性はすごい』という脚本を書いてしまった」という東さん。
たしかに、完成した動画のラストでも、日本が歴史的に大量の異文化を受け入れ続けてきたこと、国内にもアイヌや琉球など多様な文化を持つこと、さらには移民の受け入れ数では現在、日本が世界で第4位であることなども紹介されている。
しかし、制作途中で一部関係者による多様性とは相容れない発言が世界中に報じられたため、「嘘になるので一部を書き換えた」とのこと。
「本当は同性婚とか選択的夫婦別姓とかいろいろなことがまぜこぜじゃないよね…ということも感じてもらえたらいいな、と思って。世界に見てもらうことによって、日本に突きつけられるプレッシャーになると思ったんです」
高く評価された動画は、本来9月末をもって非公開になるはずだった予定が延長されている。