”史上初”駅ホームの診療所 「隙間時間に使える」利用者から絶賛の声が続々…
西国分寺駅のホームに診療所が開業した。駅のホームに病院ができるのは日本で初めてで…。
■病院に行ってみた
期待が膨らむ「1号店」はどんな診療所なのだろうか。4月初旬、西国分寺駅のホームに足を運んだ。
見た印象は駅にあるコンビニより少し広めという感じ。入口に貼られた張り紙を見ると、普通の診断だけでなく、ニンニク注射(2,200円)や疲労回復注射(3,300円)、白玉注射(4,000円)など、すごく元気になれそうなメニューも…。
くしくも、記者は数日前からお腹の調子が悪かったため、この病院で診てもらうことにした。中に入ると、診察室が2つに検査室が1つ、オンライン診療ブースが1つあった。待合い席はなく、立ったまま寄りかかれるスペースがあるくらい。これはまさに省スペースの診療所ならではだろう。
受付から診察まではものの数分だった。医師に病状を説明すると、丁寧かつスピーディーに診断され(軽い腸炎だった)、病院に入ってから出るまで10分足らずで終わった。
ちなみに向かいの下りホームには「セルフケア薬局」がある。そこで処方せんを渡して薬をもらえば便利と考えたが、残念ながら同薬局では処方せんを受け取っての調剤はしていないとのこと。診療所のスタッフに聞いたところ、かかりつけの薬局や西国分寺駅近くの薬局でもらってほしいと言われた。
それゆえ薬を獲得するには駅外に出る必要があった。今後、駅内ですべて完結すれば利便性がより高まりそうだ。
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■JRに聞いた利用者の声
今回、新たな挑戦に踏み切った経緯について、JR東日本に問い合わせた。「西国分寺駅は、通勤客を中心に約2.2万人の乗車客に加え、中央線と武蔵野線の乗り換えで利用される方も多いです。生活動線上にあるエキナカのホーム上に開院することにより、平日に医療機関を受診できない働く方への訴求効果が高いと想定しています」(JR東日本広報部)。
利用者の反響について聞くと、「『電車から降りた目の前にクリニックがあり、隙間時間に利用できるので便利だった』、『乗り換えの際に受診できることに利便性がある』などの声をいただいています。また、喘息や糖尿病など慢性疾患を持っている患者様からは『治療が中断してしまっていたが、生活動線上にあることで通いやすいし、遅い時間までやっているので間に合った』という声もいただいています」(前出・JR東日本広報部)と回答。
今後、JRのほかの駅で開業する予定はあるか聞くと、「現時点では未定です。今回の取り組みによる患者様の使い方等を踏まえ、今後の事業展開の検討を行っていきます」とのことだった。(前出・JR東日本広報部)。
もし、全国各地にできれば、貴重な命を救うこともできるかもしれない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)