上島竜兵さんが担った「お笑い史上のすごさ」の秘密 ベタ芸・復興の旗手
上島竜兵さんとダチョウ倶楽部のお笑い史上のすごさを振り返る。
■出川哲朗とダチョウ倶楽部
しかし、2000年代も中頃になると、ダチョウ倶楽部は、数々の芸を「伝統芸」化させていくことに成功。流れるようなネタの数々で、「お約束」ネタとして、洗練された技術が評価されていく。
同時にベタな「リアクション芸」として、評価されていったのが出川哲朗だった。明石家さんまが、『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)で出川のことを2流とするレギュラーの女性に対し、「出川は一流や!」とツッコミを入れた逸話は、知られるところ。
関連記事:劇団ひとり、野球対決で竜兵会に参加も複雑 有吉弘行・土田晃之は多忙で…
■ベタの芸を復興させる
出川がリアクション芸と共に天然ボケ的スタイルも持つのに対し、上島竜兵さんは、「豆絞り」という一風変わった芸もあるものの、基本的にはダチョウ倶楽部の「伝統芸」が中心。
つまり、「お約束」の芸を突き詰めたのが、まさにダチョウだといえるだろう。先の通り、90年代は、トーク芸やシュール芸がもてはやされ、ベタな芸は斜陽の傾向にあった。実際に、上島さんの師匠ともいえる志村けんさんも、90年代後半が最も苦戦した時期と思われる。
ベタな芸の再評価を先導し、歴史的な役割を果たしたのが、まさにダチョウ倶楽部だったといって過言ではないだろう。