台風8号が13日に東海~関東に上陸へ 予想が悪化し線状降水帯発生のおそれも
台風8号の予想が悪化している。気象庁は「線状降水帯発生の恐れもある」とし、最大300ミリの大雨も予想されている。
台風8号は上陸直前に発達し、13日(土)夕方までに東海地方で最大300ミリ、関東甲信で200ミリという予想が気象庁から発表されました。線状降水帯が発生する恐れも出てくるなど、予報が悪化しています。その理由や、いつどこで気を付けるべきか、気象予報士の千種ゆり子が解説します。
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■台風の予想が悪化
10日(水)にも記事を書きましたが、そのときよりも台風8号の影響が悪化してきてしまいました。
進路にはブレがなく、あす(13日・土)に東海~関東に最も接近する見込みです。何が悪化したのかと言うと、台風の発達度合いです。12日夕方時点では、日本や海外のコンピューターの計算のいくつかが、急発達する演算を示しています。
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■台風上陸直前に雨雲が急発達する恐れ その理由は?
台風の発達には海面水温などいくつかの条件がありますが、今回重要になってくるのが、地上付近と上空の風向きの違いです。
台風は大きな風の渦巻きです。その渦巻きを作っている風向きが下層から上層まで揃うと、急速に発達します。いまは下層と上層の風向きがきちんと一致しておらず、台風の南側に雲がまとまっている状況です。
上陸直前に一致する可能性もあり、そうすると、陸地に上陸直前に台風が発達する可能性があります。前回の記事を書いたときより予報が悪化しているため、それを伝えるべく、記事を書くことに決めました。
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■最大で300ミリ超の大雨の恐れ
静岡県では13日夕方までに予想される雨の量が300ミリ、山梨や神奈川でも200ミリ近くと、山や川のレジャーはかなり危険ですから、中止をしてください。
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■山沿いや沿岸部で警戒 都市部でも注意が必要
台風が発達するか否か、また発達すればどれくらい発達するのか、どの時点から発達するのかのブレが大きいため、地点ごとの予報は、ずれる可能性があり、あくまで1つの可能性として捉えて頂きたいのですが、12日夕方時点での予想は以下のようになっています。
雨風が局地的に強まりますので、都市においても、電車の遅れなどの影響が考えられます。見通しが悪くなるため車の事故も起こりやすくなります。遠出は避け、近場であっても慎重な行動を心がけた方がいいでしょう。
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■線状降水帯発生の恐れがあるエリアは?
気象庁からは「東海地方では、13日日中には、線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります」と発表がありました。
気象庁は“東海地方”で線状降水帯が発生する恐れと発表していますが、気象データを見る限り、関東地方での発生可能性もあるように私は思います。
万が一気象庁の予報通りに線状降水帯が発生してしまった場合は、低い土地の浸水や河川の増水、土砂災害などの甚大な気象災害が、人の居住する地域付近で発生する可能性も出てきます。
大雨への警戒トーンを1段階上げ、あす(13日)は慎重にお過ごしいただきたいと思います。
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(取材・文/Sirabee 編集部・千種ゆり子)