『時をかける少女』に登場のアーチ、今日で撤去… 決意の裏に「3年前の苦悩」
人気アニメ『時をかける少女』。同作にまつわる「聖地」がなくなろうとしていて…。
■脳裏をよぎった「3年前」
五十嵐さんによると、かねてから老朽化が激しくなっていたという。「これまでもメンテナンスはしていましたが、とうとう機材本体が危なくなってしまったんです。1年ほど前に時計が動かなくなり、修理に来てもらいました。その際、業者の方からアーチ自体の耐久性を指摘されたんです」(五十嵐さん)。
ただ、長年街のシンボルだったアーチを取り壊すのには抵抗があったそうだ。泣く泣く決意を固めたのは、かつての「苦悩」が脳裏をよぎったためだったようで…。
「3年前の関東を直撃した台風で、アーチとは別の街路灯が傾いてしまい、撤去したことがありました。あの時のことを思い出して、万が一アーチが倒れたらけが人が出る可能性があると思ったんです」(前出・五十嵐さん)。
件のアーチは、高さ8メートルほどで幅は6メートルを超える。昼間はこのアーチの下をたくさんの人が行き交っている。街の人たちの安全面を考えた上での判断だったのだ。
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■気になる今後は…
撤去することが決まると、住民から「壊さないでほしい」という声があがったそう。『時かけ』ファン以外からも愛されていたことがうかがえる。
気になる今後だが、街路灯の建設を検討しているという。「できることなら作り変えたいと思っていましたが、今は法律的な問題でアーチ自体作れなくなってしまったんです。他にはないような街路灯が作れたらと思っています。14日の夜間工事で撤去した後、年内に基礎工事を終わらせて、23年度に新しいものを作る申請をします。完成は25年ごろを予定しています」(前出・五十嵐さん)。
生まれ変わった街路灯が、大人から子供までたくさんの人を照らして笑顔にさせる──。そんな明るい“未来で待ってる”。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)