薄暗いビル階段、足元の光景にゾッとした… 意識外のトラップが「怖すぎる」と話題
とある建物内で見かけた階段、一見すると何の変哲もないが…。ネット上では「怖すぎる」という意見が多数寄せられている。
■階段ひとつにもそんなルールが…
階段をデザインする人にお願いしたいんですが、これ、薄暗がりだと降りる時すごく怖いのでやめてほしい。どこに足を載せたらいいのか迷う pic.twitter.com/ksgO6FeHEp
— ねえさま (@jun_hamarn) October 5, 2022
今回の取材を快諾してくれた建築指導課は「建築物に関する基準」を専門分野としており、まずは担当者に話題となったツイートを見てもらうことに。
続いて、法律やルールの観点から見た際、こちらの階段が「違反」に当たるかを尋ねたところ、担当者は「不特定多数の方々が利用したり、2,000平方メートル以上の大きさを持つなどの条件を満たした建物には『バリアフリー法』の遵守が義務付けられます」と前置きしつつ、「階段に対しては『手すりを設ける』などのほか、『端部をその他の部分とは異なる色に変える』といった措置が必要となります」と回答してくれたのだ。
なお、国土交通省の公開する「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」の中では「階段は、踏面の端部(段鼻)とその周囲の部分(踏面等)との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより、段を容易に識別できるものとする」と規定している。
階段は横、下から見ると段差が分かりやすいが、問題はツイートのような「上から見た際」の見え方である。前出の写真を見て分かるように、角度の問題で利用者の目には「平面」となった階段の様子が映るため、配色が「全て同じ」だった場合は、それぞれのステップの境界線が非常に分かりづらく、階段を踏み外すリスクが非常に高くなってしまう。
そのため、バリアフリー法では弱視の人物等への配慮として「階段端部の色をはっきり変える」ことを義務付けているのだ。しかし件の階段は、居酒屋などが入ったビル内にあったもので、バリアフリー法が義務付けられる建築物としての条件を満たしているかは、微妙なところである…。
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■今回の階段の「問題点」となる箇所は…
なお、件の建物が「バリアフリー法を遵守する必要がある」建築物だと仮定した場合も、明確に「違反している」とは判断できないデザインのよう。
というのも、バリアフリー法が定めた「端部の色を変える」という措置は、「同じ色が続いていると段差が分かりづらい」という現象を解決するためのものであり、そこに「周囲の明るさを考慮した色の指定」などの要素は介在していないのだ。
とはいえ建築指導課の担当者も今回の写真を見た際、少なからず疑問を覚えたようで、階段周囲が薄暗い状況にあることについても認めつつ、「階段の端部に当たる、色の変わった部分のスペースが広いことも視認性の低い要因と感じ、やや不親切なデザインという印象を受けました」とも振り返っている。
確かに、街中の階段と比較してみると、今回話題となった階段は、色の配分がややダイナミックに感じられる…。真の意味での「バリアフリー」が実現するには、まだまだ時間を要しそうだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)