週刊誌の「芸能人隠し撮り写真」は罪になる? 弁護士に聞いてみると…
ここ数年、物議を醸す週刊誌の「隠し撮り写真」。罪に問われる可能性はあるのだろうか…。
■「タレントの子供」の写真は…
そうした前提を踏まえた上で、週刊誌がタレントが食事や買い物する様子を激写し、世に発信することが罪に問われる可能性はないか尋ねた。「罪に問われる可能性は低いです。もっとも民事上の責任を問われる可能性はあり、プライバシー権侵害で週刊誌が訴えられるケースは散見されています」(前出・河西弁護士)。
では、梶原や賀来が苦言を呈すような「タレントの子供の写真」 を掲載したことで罪に問われる可能性はあるのだろうか。前出の河西弁護士は理論上、2人の権利を侵害することになると指摘する。
「芸能人自身と、子供の肖像権侵害に当たります。そもそも芸能人にもプライバシー権や肖像権は認められますし、一般人である子供についてはなおさらプライバシー保護の観点からも肖像権侵害となりやすいです。実際に損害が生じたとすれば、SNS投稿者のキャリア情報から住所氏名が特定され、損害倍書請求や差止めの訴訟を起こされる可能性もあります。モザイク加工されていても、背景写真から住所や学校が特定されれば肖像権ではなくプライバシー権の侵害となる可能性があります」(前出・河西弁護士)。
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■週刊誌は”自粛”傾向か
週刊誌側からすると、タレントの子供の写真を掲載することは訴訟を起こされる「リスク」を抱えることになる。ある出版業界関係者は、最近は週刊誌側も”自粛”する傾向にあると語る。
「以前は複数の週刊誌が、タレントの子供が通う学校の入学式や卒業式、運動会など行事の様子を報じていましたが、最近はそういう報道が減っている印象です。タレント本人や所属事務所から抗議されたことを受けて、できるだけ子供と一緒に写った写真は使わないようにしているそうです。世間の反応も厳しいですし、ネットで炎上するのは避けたいのでしょう」(出版業界関係者)。
週刊誌サイドも対策は講じているというわけだ。芸能人も彼らの子供も、一人の人間であるということを忘れてはならない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)