インド在住日本人が教える 「ガンジス川の水を絶対飲んではいけない理由」
話題のガンジス川とは…実際に沐浴した体験談とインド人との深い繋がりを、インド在住20年の日本人が解説。
■インド人とガンジス川の関係
ガンジス川の水は実際に汚いですが、「純粋」と言われています。水辺には空のボトルが販売されており、インドではガンジス川の水を汲み、必ず持って帰ったり、お土産にすることもあります。その水は、自宅の仏壇に置かれて、時々お浄めに使われるのです。
もう数年経つ我が家のボトルのガンジス川は、今でも無臭で無色透明なまま。「神様の水だから、ずっとピュアだ」と義両親は言いますが、その水で湿疹が出る私は、「穢れている」と、そんな話を笑ってします。
そう、信仰心の強いインド人は水質など気にしないのです。純粋に「神の水」と受け入れており、疑う気持ちなど一切ありません。それほどまでに強い信仰心がないと、ここまで汚い水を神の水とはとても言えないでしょう。
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■現代人とガンジス川
一方、都市部のインド人は信仰心が薄れています。グローバル化の影響や核家族など、信仰心や伝統を受け継ぐ場面も少なくなってきました。
日本人はインド人が皆ガンジス川で沐浴をすると思っているかもしれませんが、沐浴する人は信心深い人や田舎の人で、ほとんどのインド人は沐浴をしません。ガンジス川で沐浴をすることになったとしても、年配の代表者だけや、リシケシュなどの上流で水浴びをする程度なんです。
また、バラナシ周辺のガンジス川は汚いので、さらに入る人は減ります。彼らは「神の川」と認識はしていますが、現実的には水質や衛生面が気になるし、女性にとっては着替える場所にも問題があるのです。また、下流のパトナ周辺の方が綺麗なほどバラナシの周辺は汚染されているんですね。
そこで生まれ育ったインド人でさえ入らないバラナシのガンジス川に外国人旅行者が入ったり飲んだりしたら、病気になるのは当たり前と言っていいでしょう。