喫煙所で究極の2択に遭遇、どっちを選べば… 「ポイ捨て抑止策」が天才すぎる
渋谷、横浜と設置を拡大する投票型喫煙所。ネット上でも大絶賛されていて…。
2020年4月から飲食店や事業所など様々な場所で原則屋内禁煙になり、屋外でも「禁煙」の看板が掲げられている。タバコが吸える場所が減る中、吸い殻をポイ捨てする人も…。
そんな問題を解決するプロジェクトが反響を呼んでいるのをご存知だろうか。
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■渋谷→横浜に拡大
5月、喫煙所ブランド「THE TOBACCO」を運営するコソドが、土日限定で東京・渋谷センター街に投票型喫煙所を設置した。同所でも特にポイ捨てが多い宇田川クランクストリートに5台置かれた。
オレンジや水色、黄色とカラフルな投票箱には2択の質問が記載されている。「あなたが手に入れたいのは、どっちですか? A.永遠の愛、そして一文なし B.一攫千金、そして永遠の孤独」「聞き続けるなら、どっちの話がいいですか? A.過去の武勇伝 B.生々しい愚痴」など、ユニークな内容だ。
回答には投票用紙ではなく、吸い殻を入れる仕組み。渋谷の投票型喫煙所は10月で終了したが、11月7日から横浜駅西口五番街にも設置されるなど、徐々に拡大している。
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■ネット上でも絶賛
遊び心あふれた取組みはネット上で話題に。「こういうの楽しくて好きなので、どんどん作ってほしい」「吸い殻で投票するのが斬新でいい」「全国に普及すればポイ捨て減ると思う」「喫煙者だけどこれは使いたくなる…発想が神すぎる」など、絶賛する声が多数あがっている。
肩肘張ることなく、遊びながらポイ捨て抑止につながりそうだ。実際、投票型喫煙所によってポイ捨てする人は減ったのだろうか。
件の事業を実施したコソドに話を聞いたところ、「驚きの効果」が判明したのだ…。
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■「約10分の1まで削減」
コソドによると、渋谷の投票型喫煙所はSNSで話題になったこともあり、多くの人が訪れたという。「普段渋谷の公衆喫煙所を利用している一部の人がクランクストリートの喫煙所を利用してくれるようになりました。渋谷区が運営する公衆喫煙所は設置数が少なく、いつも人があふれてはみ出して喫煙しています。実態としては路上喫煙を増やす一助になってしまっているのですが、そちらの人流を分散化することができたので副次的に路上喫煙を減らす貢献ができているのではないかと考えております」(コソド)。
気になる実施前と比較したポイ捨て数だが、横浜は設置して間もないこともあり数値化できていないとのこと。ただ、渋谷では結果に現れているようで…。
「設置したことで、ポイ捨てゴミはおよそ10分の1程度まで削減され、ペットボトルなどその他のゴミも削減することができました」(前出・コソド)。
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■今後、設置拡大する可能性は…
前出のコソドによれば、設置前の5月14日(土曜)のポイ捨て数が580、15日(日曜)が483だったのに対して、設置後の21日(土曜)は54、22日(日曜)は25と激減。1週間でポイ捨てを9割抑止したことになる。
設置前は吸い殻やペットボトルのゴミであふれていた場所も、スッキリしている。これほど効果があるのであれば、全国に広がってもいいのではないか。
今後、渋谷・横浜に続いて設置する可能性があるか尋ねると…。「まだ最終確定ではありませんが、長野県松本市に期間限定での設置を調整しています。本件は、ゴミ問題に取り組む高校生から弊社に問い合わせをいただき実現できそうな企画です。他にも、社会貢献に意欲的な全国の高校生や大学生、行政、社会人や企業から問い合わせをいただいておりますので、津々浦々で現地の方々と一緒にポイ捨て問題に取り組んでいきたいと考えております」(前出・コソド)。
投票型喫煙所が全国にできれば、道端に吸い殻が落ちている光景を目にしなくなるかもしれない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)