再アニメ化の批判、じつは老害ムーブと明らかに 若者との「温度差」に目を疑う…
ネット民から批判されることも多い「再アニメ化」だが、思わぬ世代から支持を集めていることが判明。これは意外すぎる…。
公開前は否定的な声が多数上がっていた映画『THE FIRST SLAM DUNK』だが、いざ蓋を開けてみると絶賛の声が続出し、ネット上では多数の「手のひら返し」が発生している。
「往年の名作漫画」の再アニメ化は、概してネット民から批判の声が上がりやすいもの。果たして世の人々は、こちらの現象にどのようなイメージを抱いているのだろうか…。
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■「いま、令和だぞ…」と言いたくなる?
今年は前出の、漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』を原作とした『THE FIRST SLAM DUNK』だけでなく『うる星やつら』『BLEACH』といった往年の名作が「再アニメ化」を果たしており、新作アニメ一覧の画像に対して「令和とは思えない」といった声が寄せられるケースも珍しくなかった。
こうした風潮は今年始まったものでなく、2020年は『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』、21年は『シャーマンキング』の再アニメ化が実現し、23年からは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の放送が決定…と、もはや「再アニメ化」はアニメ業界において決して無視できない、重要コンテンツとなっているのだ。
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■世論は「再アニメ化」に対し…
もちろん過去の名作がリメイクされることに好意的な人もいるのだが、ネット上では批判の声が上がりやすい。
中でも「当時のアニメ作品をリアルタイムで観ていた勢」は拒否反応を示しがちで、「当時は許されていた描写がコンプラの関係でマイルドになる」「声優陣が一新される」といった要素に不安を感じる人も少なくない。現に映画『スラムダンク』も、その他要因が絡み合っていたとはいえ、やはり新規声優陣に対する疑問の声が非常に多かった。
そこで今回はいわゆるネット民でなく、世間の人々がぶっちゃけ「再アニメ化」にどのような印象を抱いているのか、調査を実施することに。
全国10〜60代の男女600名を対象に「往年の名作漫画が再アニメ化する風潮は嬉しいか」を尋ねたところ、僅差で「嬉しい」という回答が「嬉しくない」を上回る結果となったのだ。
思わず「なんだ、世間の人々は再アニメ化が嬉しいのだな」と安堵したものだが…年代別の回答を見ると、衝撃の事実が明らかに…。
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■まさかこんな結果になるとは…
なんと、10〜20代の75%が「再アニメ化は嬉しい」と回答しているのに対し、30、40代は「嬉しい」という意見が、僅かながら少数派となっていた。50、60代は「嬉しい」という回答が50%以上…とはいえ、10〜20代と比較すると20ポイント近く差が開いている。
こちらの結果から「当時アニメを観ていた年配の世代」がターゲットと思われた再アニメ化は、じつは「若い世代」から高い支持を得ていることが明らかに。
アラサー世代の記者も学生時代、60年代のモッズカルチャーや、70年代ハードロックの魅力に開眼した経験があるので分かるのだが、自身が生まれる前に発表された音楽のアルバム、漫画、映画といったコンテンツはいずれも、歴史から見れば「過去の作品」といえど、初めて体験する人物からすれば「新譜」「新作」といって差し支えないのだ。
また、時代を超越する普遍性を備えた作品に出会えた際の感動は筆舌に尽くしがたく「過去からやってきた未来に出会った感覚」という説明が最も近しいだろうか。恐らく「再アニメ化が嬉しい」と回答した若い世代も、よく似た感覚を経験したことがあると思われる。
「再アニメ化」にネガティブなイメージを持つ人たちの気持ちも分からないではないが、批判する際は「作品を鑑賞してから」にしてほしい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
対象:全国10代~60代男女600名 (有効回答数)