小学校にあったマット、正式名称に耳を疑う… 「7文字」にこめた思いがエモすぎる

小学校の入り口で靴の汚れを落とすのに使っていたマット。正式名称は「タンポポマット」だった! 気になる由来を取材した。

2023/03/11 04:15


タンポポマット

ボールペンは「ボール・ポイント・ペン」、カラオケは「空オーケストラ」、食パンは「主食用パン」──。我々が日頃当たり前に使っているものには、意外な正式名称があったりする。

以前、ツイッター上では学校の出入り口でよく見かけたマットの意外すぎる名称が話題を呼んでいたのをご存知だろうか。

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■小学校の入り口で活躍

事の発端は、生活用品を販売するテラモトの公式ツイッターの投稿だった。1月下旬、ツイッター上でたびたび話題になるハッシュタグ「唐突に本名を晒す」を付け、同社が販売するマットの写真を投稿したのだ。

小学校の入り口で土だらけになった靴の汚れを落としてくれたマットの写真に懐かしさを覚えるが、続く一文に目を奪われる。そこには、このマットの正式名称である「タンポポマット」という衝撃の7文字が綴られていたのだ。

その機能性から「泥落としマット」、たわしのような見た目から「たわしマット」だと思っていた人はド肝を抜かれたことだろう。


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■ネット上で驚きの声

小学校時代にお馴染みだったマットの意外すぎる名称は、ネット上で話題に。「マジか、たわしマットって呼んでました」「子供の頃あちこちで見かけたやつ… そんな名前だったのか」「商品は知ってるのに名前は知らなかった!」と、驚きの声があがっている。

また、「どの辺りがタンポポ風味なんですか」「何でタンポポなんだろう?」「タンポポ要素どこや」など、その由来に興味を持つ人の声も…。

「タンポポマット」のルーツを知るため、販売元であるテラモトに取材したところ、「意外な裏側」が明らかになった。


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■ロングセラー商品だった

テラモトはバスルームで使うS字フックやガスコンロやレンジの汚れを落とすキッチンダスターなど、デザイン性の高い生活用品に力を入れている会社だ。同社の担当者によると、「タンポポマット」は1951年に発売されたとのこと。

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なぜ、このマットを開発したのだろうか。

「発売当時、コンクリートやアスファルトで舗装されていない道が多く、靴の裏が泥で汚れがちでした。そのため、室内に入る前に靴裏の汚れを落とすマットが必要だったんです。タンポポマットは泥を落とすブラシ部分を金属製のワイヤーで囲んでいます。タンポポマット以前の商品は、ブラシ効果はあるものの耐久性がありませんでした。そこを改善したタンポポマットがヒットしました」(担当者)。

その後、目に見えないレベルの寸法変更等はあったそうだが、大きなリニューアルはせず現在まで販売し続けている。


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■気になる由来を聞くと…

歴史ある商品であることが分かった上で、気になる由来を尋ねたところ、植物のタンポポの見た目は関係ないという。

「『日本中の道端にきれいな花を咲かせるタンポポのように日本各地で愛され、花開くように』という願いを込めて名付けられました。また、『タンポポのように踏まれてもへこたれない』という商品の丈夫さをPRする狙いも込められています。発売当時、今で言うブランド名として、そうした願いを込めて各種商品にタンポポという名前を付けていました」(前出・担当者)。

タンポポの色合いではなく、”中身”である力強さから取った名前だったのだ。エモすぎる舞台裏に感動しつつ、現在の「タンポポマット」の利用状況についても聞いてみた。

「発売当時は舗装されていない道路が多く、重宝されていましたが、タンポポマットに求められるニーズの変化に合わせてご利用頂く機会は減っています。しかし、愛用し続けて下さる方は多く、現在は建設現場や農場、降雪地域でも活躍しています」(前出・担当者)。

昔に比べれば、舗装された道が多くなり、学校に行く途中で靴が土や泥で汚れてしまうことも少なくなった。時代は変わったが、土や雪の中働く人達を陰ながら支えているのだ。

これからも、タンポポマットはたくさんの人に踏まれながら愛され続けることだろう。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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