歌舞伎町「トー横」など繁華街の未成年者保護は誰が主導すべき? 6割の意見は…
東京・歌舞伎町の新宿東宝ビル・歌舞伎町タワーの間にたむろするトー横キッズ。こうした未成年者は誰が保護すべき?
繁華街にたむろしたり、ときに非行などに走る少年少女の存在は、昭和・平成の時代から問題となってきた。
1990年代には、渋谷センター街などを中心に「チーマー」「コギャル」と呼ばれる未成年がストリートカルチャーを牽引する空気もあったが、一方で暴力沙汰などがしばしば起きていたことを知っている現30〜40代世代も少なくないだろう。
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■トー横・グリ下などの未成年が話題
昨今は、新宿歌舞伎町の新宿東宝ビルと先日開業して話題の歌舞伎町タワーに挟まれた、いわゆる旧・コマ劇前広場にたむろする若者たちが「トー横キッズ」などと報じられることも。
こうした場所は他エリアの繁華街にもあり、大阪・心斎橋ではグリコの看板下が「グリ下」と呼ばれるたまり場に。また、名古屋でも、ドン・キホーテ栄店隣の広場(現在は閉鎖)に集まる少年少女たちが「ドン横キッズ」などと呼ばれていた。
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■警察は一斉補導を実施
東京都は、家出などで繁華街に出てきた結果、犯罪などに巻き込まれる恐れがある未成年者を対象に、若年被害女性等支援事業を実施。
昨年までは委託事業として行っていたが、今期からはより会計が透明化できる補助事業に切り替えて事業者を募集している。
また、警視庁もトー横周辺でたむろする未成年を対象にたびたび一斉補導を実施。今年は春休みにあたる3月25〜26日、昨年も夏休みが始まる7月17〜18日、年の瀬の12月10〜11日にそれぞれ数十人の中高生らを補導した。
警察の取り締まりの成果か、歌舞伎町タワーが開業して人の流れが活発化したせいか、4月以降はトー横にたむろする少年少女は大きく減少している(写真は4月18日撮影)。
しかし、こうした繁華街などで未成年を保護・補導する活動は、誰が主導して行われるべきなのだろうか。
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■6割弱が警察主導を期待
Sirabee編集部が、4月10〜12日にかけて、全国10〜60代男女1,000名を対象に「繁華街にたむろする少女などの保護活動」について調査したところ、最も多かった答えは「警察が主導すべき」で56.6%に及んだ。
「警察以外の行政」が22.8%。「NPOなど民間主導」という意見は、15.7%にとどまっている。また、「介入すべきでない」という意見は極めて少なく、行政か民間のサポートが必要と考える人が9割を超えた。
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■中高年女性の9割は「行政が」
全体では8割前後が「警察もしくは行政が保護活動を主導すべき」と考える、繁華街にたむろする未成年者問題。男女・年代別では、とくに50〜60代女性で、民間ではなく警察や行政の役割を期待する声が9割前後に及んでいる。
警察による一斉補導は、学校の長期休暇など限られた時期に集中しているが、他の行政とのさらなる連携が有効だろう。また、今回の調査では幅広い支持を得られなかったNPOなど民間事業者は、まず市民社会からの信頼感醸成が求められそうだ。
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)