今後はスーパーエルニーニョの可能性も? 「猛暑」と「冷夏」、9割が希望したのは…
気象庁は今後、東太平洋でエルニーニョ現象が起きる可能性を「80%」と予報。この夏は「平年並みか高い」気温と予報されているが…。
地球温暖化の影響か、また今年3月まで続いたと見られるラニーニャ現象のためか、近年は猛暑が続いていた。
気象庁が5月23日に発表した3ヶ月予報では、6〜8月の全国の平均気温は、北日本は「平年並み」、東・西日本は「平年並みか高い」、沖縄・奄美地方は「高い」との見込みとなっている。
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■気象庁は「エルニーニョ」の可能性を予報
ラニーニャ現象とその逆のエルニーニョ現象の仕組みについては、気象予報士・千種ゆり子さんのコラムで詳しく解説されているが、東太平洋・ペルー沖の海面温度が平年より「下がる」のがラニーニャ、「上がる」のがエルニーニョだ。
気象庁は5月12日付のエルニーニョ監視速報で、「エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られるが、エルニーニョ現象の発生に近づいた」「今後、夏までの間にエルニーニョ現象が発生する可能性が高い(80%)」としている。
一般的に、ラニーニャが起きた年は猛暑、エルニーニョは冷夏や多雨につながるとされるが、今回のエルニーニョは温度上昇幅が通常より大きい「スーパーエルニーニョ」になるとの予想も。
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■9割弱が「冷夏」希望
熱中症なども増え、体力が消耗する猛暑。一方、農産物の不作につながる冷夏。世間はどちらを望んでいるのだろうか。
Sirabee編集部が、5月25〜26日にかけて、全国10〜60代男女1,000名を対象に「猛暑と冷夏」について調査したところ、「猛暑のほうがいい」と答えたのは全体の14.9%。85.1%と圧倒的多数が「冷夏のほうがいい」と回答した。
米の作況などへの悪影響はあるものの、温暖化が進む中での酷暑には耐えがたい人も多いようだ。
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■若い世代ほど「冷夏」派
今回の調査結果を世代別で見ると、興味深い傾向も。いずれも少ない「猛暑派」だが、上の世代ほど増加する。10〜20代では11.4%だが、60代では19.4%となった。
中高年のほうが熱中症リスクは高そうだが、過去に起きた「平成の米騒動(1993年)」など冷夏がもたらした社会の混乱の記憶が残っているからかもしれない。
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■執筆者紹介
タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター
1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。
著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)