その美しさから宝石の名前になった『翡翠』 鮮やかな色の正体は光の反射だった
キツツキが脳震盪を起こさないのには意外な理由があった…。
水辺で見られる美しい羽色のアノ鳥。有名な漢字表記とは別に、巧みに魚を捕る姿からつけられものもあるようだ。
■「翡翠」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「翡翠」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で79.3%の人が「かわせみ」、20.7%の人が「きつつき」と読むと回答した。
「かわせみ」と読む人は男性が77.6%で女性が81.0%。「きつつき」と読む人は、男性が22.4%、女性は19.0%という結果に。
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■正しくは「かわせみ」
「翡翠」の正しい読み方は、「かわせみ」。ブッポウソウ目カワセミ科カワセミ属に属する小鳥で、古くは「ソニドリ」と呼ばれていたことも。水辺に生息し、魚や昆虫のほか、エビやカエルを食べることもある。
美しい羽色が特徴だが、その色は羽の色素によるものではないのだそう。「構造色」と呼ばれるもので、羽毛の微細構造に光が反射することで青く見えるという仕組みだ。特に背中の水色は鮮やかで、光の当たり方によっては緑色見えることも。宝石の「翡翠」は、カワセミのこの美しい羽色にちなんで同じ漢字表記を使うようになったと言われている。
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■巧みに魚を捕る様子が漢字に
カワセミの「カワ」は「川」を指しており、「セミ」は古名の「ソニ」が変化したものだという。「ソニ」は「土」を意味する「ソニ(青土)」からきており、カワセミの仲間であるアカショウビンの「ショウビン」も「ソニ」に由来すると言われている。
また、漢字表記は「翡翠」だけではなく、川蝉、魚狗、水狗、魚虎、魚師、鴗など多数あり、魚狗、水狗、魚虎、魚師などの漢字はカワセミが巧みに魚を捕らえる様子を表しているのだそう。
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■「きつつき」の漢字は「啄木鳥」
「きつつき」は「啄木鳥」と書く。キツツキ目キツツキ科に属する鳥の総称で、木の幹を突いて穴を開け、中にいる虫を食べるその姿から「木を啄む(ついばむ)鳥」の意味で「啄木鳥」と呼ばれるようになったと言われている。
古くは「てらつつき」、「けらつつき」と呼ばれていたこともあり、「コゲラ」「アカゲラ」など、名前に「ケラ」がつく種類がいるのはこのためなのだそう。
ところでキツツキは、毎秒およそ20回もの速度で木をつついているのに、その衝撃を吸収する構造を持っていないという。脳震盪を起こさないのかと心配になるが、キツツキ程度の小さな脳であれば、その衝撃でダメージを受けることはないそうだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)