ロシアは核兵器を使用するのか? その可能性に言及した舛添要一氏の新著が発売
泥沼化の様相を見せるロシアによるウクライナ侵攻。果たしてロシアが核兵器を使用するケースはあり得るのか、国際政治学者・舛添要一氏が分析する注目の一冊が集英社インターナショナルより発刊となった。
2022年2月、突如ウクライナに侵攻したロシア。国際政治学者としてロシアの動向を分析してきた舛添要一氏は、新著で「第三次世界大戦」の扉が開きつつあると警鐘を鳴らす。
■プーチンという人物を深堀り
プーチン、そしてロシアの未来を予見した舛添氏の新著『プーチンの復讐と第三次世界大戦序曲』(集英社インターナショナル)が先月発売となった。
本書の特徴は、ソ連・ロシアの歴史と民族性、そしてプーチンという男の出自と最高権力者に成りあがるまでの経緯を綿密に調べた上で、今後の展開をじっくり推測している部分である。
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■「世界は今、極めて危険な状況」
当初ロシアはウクライナ全土を早期に掌握し、ゼレンスキー政権を打倒するという方針で動いていた。
しかし、アメリカやヨーロッパなど西側諸国が最新兵器を次々ウクライナに供与したため想定以上に苦戦を強いられ、現在はウクライナ軍の戦力低下を主眼におく“長期戦”の作戦に切り替えている。
舛添氏は、停戦のシナリオを描くには難しい局面に突入してしまったと記した上で、「戦争は長期化せざるをえないし、核戦争や第三次世界大戦への道に迷い込むかもしれない。世界は今、極めて危険な状況にある」と予測する。
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■核兵器を使用するケースとは
追い詰められたロシアが核を使う可能性はあるのか。
本書後半にはその可能性について言及されており、その一つのケースが、ウクライナ軍が核兵器を使わず通常兵器でロシア領土内を攻撃した場合だという。舛添氏は「その危険性を十分に認識しているからこそ、NATOは長距離ミサイルなど、ロシアに到達する兵器の供与に慎重だったのであり、またウクライナに対してロシア領土を攻撃しないように釘を刺した」とその背景についても綴られている。
核戦争の可能性は現時点でゼロではない。万が一ロシアが核を使えば、西側諸国もロシア軍に壊滅的打撃を与える攻撃を行うだろう。これは避けなくてはいけないケースだが、「その可能性を完全に排除することはできない」という舛添氏の分析が、これまでない世界の危機と、とてつもない緊迫感を覚えさせる。
ロシアの今後を知るために、必読の一冊だ。
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(文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)