その名の由来は“指”を意味する外来語 『甘蕉』の正しい読み方とは…
そのカタチから、「ハンド」や「フィンガー」と呼ばれることもある果物とは。
いまでは1年を通して見ないことはないお馴染みの「甘蕉」だが、かつては希少な高級品だったという。
■「甘蕉」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「甘蕉」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で79.6%の人が「バナナ」、20.4%の人が「パパイヤ」と読むと回答した。
「バナナ」と読む人は男性が76.7%、女性が82.3%。「パパイヤ」と読む人は、男性が23.3%、女性が17.7%という結果に。
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■正しくは「ばなな」
「甘蕉」の正しい読み方は、「ばなな」。バショウ科バショウ属のうち、果実を食用とする品種群の総称で、甘蕉(かんしょう)、実芭蕉(みばしょう)と呼ばれることも。
原産地は東南アジアで、マレー半島から熱帯地方の各地に伝わったとされ、日本へ正式に輸入されたのは台湾からだと言われている。
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■語源はそのカタチから?
その語源は、ウォロフ語(セネガル、ガンビア、モーリタニアにかけて住むウォロフ族の言語)でバナナを指すバナンナ (banaana) や、アラビア語で指を意味する「banan」、西アフリカの言語で同じく指を意味する「banema」など諸説あるようだ。
手や指が語源であると言えば、バナナを扱う企業Dole(ドール)では、房を「ハンド」、バナナ1本1本を「フィンガー」と呼んでいるそうだ。
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■「パパイヤ」の漢字は「万寿果」
「パパイヤ」は漢字で「万寿果・蕃瓜樹」と書く。パパイア科パパイア属の常緑高木で、園芸学会での正式呼称は「パパイア」だが、農業界では「パパイヤ」を正式呼称とするため、農薬登録名は「パパイヤ」となるのだそう。
「パパイヤ(papaya)」はインドのマラバル地方の地名に由来するといわれているが、カリブ語の「ababai」から転訛したという説や、ブラジルの1部族の言葉であるツピ一語の「ambapaya」から転訛したという説もあるようだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)