『信天翁』を何と読む? 人を恐れずすぐに捕まってしまう様子がその名の由来だという

羽毛目的とした乱獲で一時は絶滅したと考えられていた。

2023/12/03 04:00


アホウドリ

天を信じる翁。運任せで生きていると思われていた鳥とはいったい…。



■「信天翁」は何と読む?

Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「信天翁」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で69.5%の人が「あほうどり」、30.5%の人が「カナリア」と読むと回した。

あほうどり

「あほうどり」と読む人は男性が67.9%で女性が71.0%。「カナリア」と読む人は、男性が32.1、女性は29.0%という結果に。


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■正しくは「あほうどり」

「信天翁」の正しい読み方は、「あほうどり」。ミズナギドリ目アホウドリ科キタアホウドリ属に分類される海洋に生息する渡り鳥で、大きいものは全長100cm、翼を広げると240cm程になるものも。

羽毛などを目的とした乱獲で一時は絶滅したと考えられていたが、1951年に小笠原諸島の鳥島で繁殖している個体が再発見された。1962年には特別天然記念物に指定され、小笠原諸島の南小島や媒島などでも繁殖が確認されている。


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■人を恐れない性格が気の毒な名の由来に

「あほうどり」という名は、無人島で繁殖したことで人を恐れないうえ、地表での動きが鈍くてすぐに捕まえられたことから、「阿呆な鳥」という意味で付けられたものだという。

また、漢字の「信天翁」は、天を信じ、運を天に任せている翁(おきな)という意味で、自分でエサを捕まえられず、ほかの鳥が落とした魚が天から降ってくるのを待っていると考えられていたことに由来すると言われている。

名前の由来としてはなんとも気の毒な話だ。山口県の日本海沿岸部で古くから呼ばれているオキノタユウ(沖の太夫、沖にすむ大きくて美しい鳥)に改名しようという動きもあったようだが…。


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■「カナリア」の漢字は「金糸雀」

「カナリア」は漢字で「金糸雀」と書く。アトリ科に分類される小鳥で、ヨーロッパでは古くから愛玩鳥として飼われていた。人間にも馴れやすく、雛から育てなくても、手乗りになったり、飼い主の手から餌を食べたりすることもあるという。

日本へきたのは江戸時代でオランダ人によって長崎に持ち込まれたのだそう。日本では古くから小鳥を飼い慣らしてさえずりを楽しむ習慣があったため、カナリアも姿形やさえずりの美しさから、たちまち人気となり流行した。

その美しい羽色や、さえずりから、現在でも世界中で広く飼育されている。ペットショップなどで見かけた際は、美しい鳴き声に耳を傾けてみては。

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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年6月29日~2023年7月3日
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)
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