深夜2時に娘からLINE通話、衝撃の告白にギョッとするも… 親子愛が生んだ「二重の奇跡」が判明
彼氏から「プレゼントのネックレスを川に捨てろ」と強要され、誤って車のキーを捨てた女性。キーが無事作動した事態に、ダイハツも「稀有な事例」と驚いている。
■「車の置かれた環境」に改めて驚き
回収したぜ……。
娘が彼氏と別れ話になり、「やったネックレス今この場で川に捨てろ」と言われ川に投げたらチェーンが絡んで、一緒に川の中に飛んでった貸してた僕の車の鍵を……。 pic.twitter.com/WTsS7N3GLw— 木船田ヒロマル (@hiromaru712) May 9, 2024
回収時のキーの様子を、木船田さんは「泥まみれで、11日間も潮水に浸かっていただけあり、露出した金具部分は錆だらけでした」と振り返る。
復活は絶望的な状態に思えたが、水道水で洗浄後に軽く拭き、アルコール消毒をしてカバーを開けたところ、内部の状態は良好で、すぐにでも使用できそうな印象を受けたそう。
そこで、通電させずに乾燥剤とともに密封して乾かしたところ、無事に作動したのだ。さらに、破損した箇所は補修によって新品と交換したため「落水前に限りなく近いか、それよりも良い状態です」とのコメントも得られている。
さらに、続くポストでは「すげー! 全く! 問題ない! 11日も満ち引きも流れもある潮水の川底にあったのに!」「さすがダイハツさん。これが一流企業の仕事だよな…」と感動した様子を綴っていたのだ。
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■ダイハツ担当者も驚いた理由は…
話題となったポストの詳細について説明すると、ダイハツ担当者も驚いた様子に。特に「キーがネックレスとともに吹っ飛んでいった」下りではハラハラした表情を浮かべ、「そんな漫画みたいな出来事があるのか…」と言わんばかりの、百点満点のリアクションを見せてくれた。
そこで今回は、木船田さんも大いに感動していた「キーの防水性能」と、それをもってすれば「今回のようなケースからの生還」も想定範囲内であるか、という2点について尋ねてみる。
すると、なんとダイハツ担当者からは「投稿主様がお乗りになられている車を含め、当社のキーに防水性能はございません」と、耳を疑う回答が飛び出したのだ。
そうなると、「後からキーが動かなくなった…」という事態も十分考えられるだろう。
しかし17日、念のため木船田さんにキーの状態を再度確認したところ「依然、全く問題ありません」「内部の電装系の一切がゴムの被膜でそっくりシーリングされており、そのひと仕事が功を奏したものと思います。何年も様々な環境下で使用する大事な部材として、手堅く誠実な設計をしてくださったダイハツの担当者の方に頭が下がる思いです」と、これまた驚きのコメントが返ってきたではないか。
11日も潮水の中にあったキーが発見され、防水機能が無いにも関わらず復活を遂げたのは、「二重の奇跡」以外の何物でもないだろう。
なおダイハツとしては、木船田さんの今回の対応に娘への深い愛情だけでなく、「自社製品への愛情」を強く感じている模様。
担当者は、「当社の軽乗用車をご家族の皆さまでご愛顧頂き、誠にありがとうございます。キーには防水機能は備わっておりませんので、今回は稀な事例かと存じます」「大変な自然環境にも関わらずご家族でキーをお探し頂き、無事にお手元に戻りましたこと、当社も嬉しく思います」と、笑顔を見せる。
そして「数あるクルマの中から当社の軽乗用車をご愛車にお選び頂き、このようなお話をお聞かせ頂けたこと、大変光栄に思います。これからも、大切に長くお乗り頂けますと幸いでございます」と、粋なコメントを寄せてくれたのだ。
キーが無事だった理由は不明だが、車を大切に乗っている父に「申し訳ない」と思う娘の気持ちと、そんな娘の無事を願う木船田さんの親心が生んだ奇跡なのでは…と感じたのは、記者だけではないだろう。
しかし、もちろん奇跡は滅多に起こるものではない。ダイハツ担当者は「水没させてしまった際はご使用を中止し、お近くのダイハツ販売会社にご相談をお願いいたします」ともコメントしている。
もとを辿れば今回の出来事は、別れ際に露見した男性の度量の狭さが原因。別れ際こそ、プレゼントを投げ捨てさせた川よりも深い、懐の深さを見せたいものだ。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)