郷土資料室で発見された謎の物体、その正体に目を疑う 昭和世代は「ウソだろ?」と驚愕

都内の郷土資料室「むかしの道具」コーナーでThink Padが発見され話題に。昭和世代からは「もうそんな時代か…」と、驚きの声が続出している。

2024/07/22 05:45



■この資料室、完全にノリノリである

話題のThink Padが展示されているのは、昔の道具から暮らしの移り変わりを考える「むかしの道具調べの部屋」で、案内表示は「日本語の文章を作成する道具」コーナーと判明。

西東京市郷土資料室

同機器をセレクトした背景について、郷土資料室の担当者は「今回バズった IBMのThink Padは、2000 年頃から新機種が発売されなくなった日本語ワープロ専用機から、平成のパソコンの時代へと移り変わる時代に登場した『黒い弁当箱のようなデザイン』と『キーボード中央にある赤いポッチのようなトラックポインタ」が特徴的で、今でも人気なPCの代表として、また個人的にも昭和のおじさん達にとって高嶺の花だった(当時価格:20万円以上)ノートPCの代表としてセレクトしました」と、説明している。

また、コロナ禍以降で小中学校に導入された「タブレット」を活用して授業を受ける「令和」の時代の小学生児童にとっては、ノートPCそのものが「平成」というひと昔前の道具として映るのでは…? と推測したことも、選定理由のひとつだという。


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■他にも懐かしの「むかしの道具」がたくさん…

日本語を「書く」道具から、日本語を「入力」する道具への進化と、文化・生活への影響を考慮したという同コーナーには、様々なツールが展示されている。

さながら明治時代の印刷職人気分でガリガリと音を立てて鉄筆で文章を「書く」道具・ガリ版。大正時代に発明された、文字を探して「打ち出す」和文タイプライター。

西東京市郷土資料室

「日本語の文章作成を変えた」と言われ、漢字かな混じりの日本語キーボードで日本語を「入力する」日本語ワープロ専用機。そして日本語の文章を「入力する」のはもちろん、ワープロ以外の機能も搭載されたPCのキーボード…といった具合である。

さらに、担当者の口からは「『話をする機械』コーナーの展示ケースの中には、ジブリ映画『となりのトトロ』に出てきた壁掛け電話、黒電話、プッシュホンの隣に、既に『ガラケー』が展示されています」と、衝撃のひと言が飛び出したのだ。

西東京市郷土資料室

比較的新しい展示物で言うと、Think Padとほぼ同期の「iMac」が展示されているそう。iMacを見ると、あらゆる製品が透明になった空前の「スケルトンブーム」を思い出すのは、記者だけではないだろう…。

ちなみに話題のThink Padは2020年、西東京市民のとある人物から、亡くなった夫の愛用品を寄贈受入れしたものだという。担当者は「当施設では、新規に寄贈受入れしたものはできるだけ展示するようにしています」とも説明している。


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■「Xを見て来ました!」の声続出

西東京市郷土資料室

Xで大きな反響があったことは、現実世界にも少なからず影響を与えている模様。

郷土資料室の担当者は「しーさいど様、西東京市郷土資料室にご来室され、ご見学された様子を投稿してくださり、本当にありがとうございました」「Think Pad の展示に大きな反響が寄せられていることを聞き、資料室担当者として、素直に嬉しかったです」と、感謝の言葉を口にする。

以降、見学者の中には「Xを見て見学に来ました!」と告げる人が少なくないそうだ。

西東京市郷土資料室

同施設では、今回話題となった「むかしの道具」の他にも、様々な展示物が見学できる。たとえば、西東京市から出土した石器や土器。

さらに現在は特別展示として、市内小学校から見つかった戦時中の訓練銃など、身近にあった戦争資料を展示しており、見学者らのイメージを想起させる「身近さ」という点では、規模の大きい博物館にも引けを取らない。

西東京市郷土資料室
新一万円札になった渋沢栄一の孫・敬三が中心になって建てた日本初の民族学博物館のジオラマ(市民との共同製作)

担当者は「今回のポストをきっかけに西東京市郷土資料室の展示に興味をもたれた皆さん、ぜひご見学に来てください。そして気軽に、資料室の担当者にお声かけください」「西東京市の歴史・文化財・資料室の展示物について、みなさんと見学しながら一緒にお話ができることを楽しみにしています」と、笑顔のコメントを寄せてくれたのだ。

展示物が現役で稼働していた当時を「知る人物」と「知らない人物」が共に意見を交わせる郷土資料室は、とても不思議で貴重な空間である。


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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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