「ティッシュへのこだわり」から見える日本の産業情勢とは
世の中には「商品ごとに違いなんかあるのか」と思えるものが存在する。そのひとつが、ティッシュペーパーだ。
ティッシュにも複数のブランドがある。だが値段の差はともかくとしても、その品質の違いに気を遣うという人はいるのだろうか?
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■やっぱり少数派だが……
しらべぇ編集部では、「ティッシュペーパーにこだわりがあるか?」という内容の調査を全国1352名を対象に取った。
すると、「ある」と答えたのは7%程度。いるにはいるが、案の定ごく少数派である。やはり、「ティッシュペーパーに違いなど見出だせない」という人が世の大半だということか。
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■女性の割合は?
次に、世代別の数字を見ていこう。目につくのは、やはり女性の赤いグラフである。とくに20代女性のそれは、11.2%。
女性には化粧という使命があり、ティッシュもそれに合わせて厳選されていくものなのだろうか。しかし、そうかと思えば、40代男性の値も意外な伸びを示している。
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■市場シェアの縮図
いずれにせよ、ティッシュペーパーのブランドは大多数の人々にはあまり馴染みのないものである。名前こそ、広く知られてはいるものの、「だから何だ」と思われてしまう可能性のほうが高いのではないか。
しかし、日本に流通しているティッシュを製造会社で分けてみると、新しい発見が出てくる。
たとえば『クリネックス』と『スコッティ』は日本製紙の子会社が生産を手がけ、『エリエール』は大王製紙である。『ホクシー』と『ネピアは』王子製紙子会社の製品だ。
すなわち、ティッシュ市場というのは名のある製紙大手企業の「独壇場」。そしてその大手同士が、日々熾烈な競争を繰り広げている。この構図は自動車市場によく似ているのだ。
我々が日常なにげなく使っているものが、じつは日本の産業の縮図となっている。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年3月18日~2016年3月22日
対象:全国20代~60代の男女1,352名(有効回答数)