米軍が沖縄で謝罪 現地で気づいた「謝るより先にやるべきこと」
沖縄県うるま市で起きた、米軍属の男による死体遺棄事件被害者の女性を悼むプラカードを米軍関係者が国道沿いで掲げ謝罪していると、Twitterで大きな話題となった。
しらべぇ取材班も米軍関係者がいそうな嘉手納町や北谷町、沖縄ライカム周辺まで取材に訪れた…のだが、行く途中で残念なことが何度も起きてしまった。
■辺野古は意外と静か
まずは今、基地の移設問題で市民団体がテントを張っている辺野古を通る。キャンプ・シュワブ前はこの事件で抗議する人たちが多そうでやや心配だったが、日曜の昼にはあまり人気を感じなかった。
なんで韓国語と日本語の幕なのかもよく分からない感じであったが、今回はここを取材するためではなかったためスルー。そのまま高速道路に乗り、北谷町へ。
■初『Yナンバー』に煽られる
北谷のアメリカンビレッジ周辺はいつもと変わらず賑わっており、多くの米軍関係者がいるようだが謝罪の列は見受けられない。探すため若干スピードをゆるめて走っていると、後ろから『Yナンバー』に超煽られるではないか!
Yナンバーとは米軍関係者が使用する車両なのだが、いままで何回も沖縄へ行ったことがあるが1回も煽られたことは無かった。初煽りが米軍が謝罪しているところを取材するときなんてなんたる皮肉…。
■ライカム内でも…
ま、まあ日本人だって煽る人は煽るし、米軍関係者だってそういう人はいるよな! と気持ちを改めて、次はライカム周辺を探す…が、やっぱりそのような行列は見受けられない。29日の午後になってしまったため、もう帰ったのだろうか。
とりあえずお昼を食べていなかったのでライカムへ入り昼食を取ろうとすると、ここでも「うわっ…」と思ってしまう出来事が。なんと某アウトドアブランドの塀に米軍関係者が4~5名でドカッと座ってしまい、店内が見づらくなっていたのだ。
おそらく本人たちは悪気はないと思われるのだが、そもそも座る場所でないところに座って商品が外から見づらくなる状況にするのは、日本人からすればあまりマナーのよろしくない行為である。
■米軍は謝るより先にすることがある
仕方がないので帰ろうとすると、またYナンバーの車の助手席に大人がふたりで座るという信じられない交通違反を目撃。米軍関係者の気持ちを取材したかったのに、本末転倒な結果となってしまった。
謝らないよりも謝ったほうがいいことは間違いないが、以上のように残念な米軍関係者たちを見てしまうと、「米軍は謝罪するよりも先にすることがあるのでは?」という気持ちが芽生えてきた。
■日本の常識やマナーを学ぶべき
まず必要なのは、米軍が「日本の常識やマナー」を学ぶことである。日本の道路はアメリカのだだっ広い道路と違いしっかりと運転をする必要があるし、買い物でもアメリカと日本ではマナーも違ってくるだろう。
1回で記者が微妙な気持ちになるぐらいなのだから、沖縄県民で米軍をキライな人はもっと嫌な気持ちになることを何回も経験しているだろうことが容易に想像できる。
■大事なのは偏りすぎないこと
日本人でもいい人や悪い人、アメリカ人を好きな人嫌いな人がいるように、米軍でも謝罪した人たちのような良識ある人もいれば、きっと今回の事件について「めんどくさいことしたヤツがいるなぁ…」ぐらいにしか思ってない人も少なからずいるはず。
どちらかに偏った報道をするのも良くないが、Twitterで話題になっているからと「米軍は悪くないし犯罪発生率も低い!」と米軍の日本駐留を批判する人すべてを『プロ市民』などと言って批判するのも、日本人同士で対立を呼ぶ火種になるのではないかと感じた。
■二度と悲劇が繰り返さない再発防止策を
事件を受けて米軍は1カ月間のあいだ飲酒や外出の制限を設けているそうだが、きっと沖縄県民たちが求めているのは、「二度と悲劇が繰り返されない再発防止策」である。
30日時点で制限が解除されたあとの再発防止策についてはまだ米軍から発表されていないが、今後どのような対応が取られるのだろうか? 沖縄県民や良識ある米軍関係者のために、軍のしっかりとした対応が期待される。
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(取材・文/しらべぇ編集部・熊田熊男)