ブームからの定着か?オワコンか? ゆるキャラの今・前編
ゆるキャラ界最大の祭典「ゆるキャラグランプリ」が11月6日に閉幕し、2016年は高知県須崎市のマスコットキャラクター「しんじょう君」が、ご当地部門グランプリの栄冠を獲得した。
一過性のブームから、人気が定着したと見られるゆるキャラだが、最盛期に比べテレビの露出が減ったこともあり、一部には「もうオワコン」と見る人たちもいる。
関係者がグランプリ決定で盛り上がる中、ゆるキャラたちの“現在とこれから”について、ゆるキャラ研究家でキャラクターコンサルタントの犬山秋彦氏に話を聞いた。
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■テレビの「ゆるキャラ離れ」
どの番組もこぞってゆるキャラを取り上げていた時期がすぎ、最近は一部のニュースを賑わすだけの存在になっている。
だがこの傾向こそが、「ブームから定着」を示す現象と思われるのだが、ゆるキャラ界の内側からはどう見えるのだろうか?
犬山:テレビ業界に関しては、確かに「ゆるキャラ」離れが進んでいますね。
その理由はいくつかありますが、まずキャラによってサイズに差はあるものの、着ぐるみを呼ぶには比較的大きな楽屋が必要だったり、控室からスタジオへの移動だけでも大変だったり…と、意外に多くの手間がかるということがひとつ。
あとはキャラさえ出しておけば、視聴者が喜ぶ――という状況ではもうないので、費用対効果を考えてのことだと思います。
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■武道館単独公演も成功のふなっしー
そうした状況の中、売れっ子キャラの人気は相変わらずだという。
犬山:例えば、ふなっしーが作り上げたマーケットは、いまだ健在です。
テレビの露出が減ったため、「あの人は今」的な認識になっているかもしれませんが、地方イベントには引っ張りだこですし、先日は武道館の単独公演も成功させました。そんな状況ですから、人気が衰えた――ということは、ありませんね。
そのほか、今年の4月に10周年を迎えた、ひこにゃんへの年賀状も毎年右肩上がりで、枚数が増え続けています。
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■淘汰されるゆるキャラたち
全国区の人気はないが、地元で息の長い活動を続けているゆるキャラたちも多い一方、残念ながら消えていったキャラも少なくない。
犬山:単なる一過性のブームや話題性だけの存在から、「品質」を伴ったキャラが生き残っているな…という印象です。
単純な発想でブームに便乗しようとしたり、「なんか、キャラがブームらしい」といった浅はかな認識で参入したキャラは、かなり淘汰されてきたのではないでしょうか。
次回「ブームからの定着か?オワコンか? ゆるキャラの今・中編」では、引き続き犬山氏から、生き残るゆるキャラと消え行くゆるキャラの違いについて、解説してもらう。
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・参考:『ゆるキャラ論』(ボイジャー)
(取材・文/しらべぇ編集部・くはたみほ)