過去の遺物となった『ゆとり教育』 母親世代は「間違いだった」と厳しい指摘
現在は終了している「ゆとり教育」。その是非を聞いてみると…
「詰め込み教育」を改め、授業時間の削減や思考力向上を目的に導入された「ゆとり教育」。
その期間については諸説あるものの、一般的に2002年度から2010年度初期までの学習指導要領に沿った教育を受けた子供を「ゆとり世代」と呼ぶ。
2011年からは新しい学習指導要領による教育が始まっており、現在は「脱ゆとり」が図られたため「ゆとり教育」は過去の遺物となった。
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■ゆとり教育は間違いだった?
そんなゆとり教育は、「学習内容が削減され学力の低下を招いた」との声も多く、「失敗だった」とも言われている。そこで、しらべぇ編集部では全国の20代~60代の男女1,329名を対象に調査を実施。
結果、「そう思う」が32.4%、「理解はできる」が35.4%で「間違いだった」と感じている人は67.8%と、かなり高い割合となった。
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■性世代別に見ると傾向が
「間違いだった」と考えている人を性世代別に見ると、はっきりとした傾向が出た。
ゆとり教育の子を持つ母親世代の割合が高く、40、50代女性は8割が「間違い」と回答。親にとっては歓迎し難い教育だったようだ。ただし同世代の男性は割合が若干低く、50代では男女で18.8ポイントの差がつく結果に。父と母では、感じ方が異なっている。
教育を受ける側であった20代は男女とも割合が低め。自分たちが受けてきた教育に、誇りを持っているのかも。
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■それぞれの意見は?
ゆとり教育について理解を示す人、間違いだと感じる人、それぞれに意見を聞いた。
<理解を示す人>
「ゆとり教育が始まったのは詰め込み教育に対する批判を受けてのもの。それまでは校内暴力とか、もっと酷い時代もあったわけで、それに比べれば改善されたのでは。
ゆとり教育で学力が低下したという説についても、実際のところ明確なデータはないといわれている。ダーティーなイメージが先行しているだけで、どんな教育を受けても優秀な人は優秀」(50代・男性)
<間違いだと感じる人>
「ゆとり世代は今社会に出ていますが、仕事ができないくせにプライドだけ高くて自己主張ばかりな人間が多すぎる。敬語も怪しいし。それも学校教育で『我慢』を学んでこなかったのが要因ではないかと。
学力は塾などでカバーできるためそこまで低いとは思いませんが、人間力の低さや常識のなさは感じます」(40代・女性)
まさに賛否両論の「ゆとり教育」。感じ方は、人それぞれのようだ。
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(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
対象:全国20代~60代の男女1,329名 (有効回答数)