宮迫会見を受けて弁護士が緊急寄稿 「今こそ芸能人たちは立ち上がるべき」
宮迫博之・田村亮の謝罪会見で語られた吉本興業の問題。エンターテイメント業界に強いレイ法律事務所・佐藤大和代表弁護士が緊急寄稿。
レイ法律事務所・代表弁護士の佐藤大和です。2017年に芸能人の権利を守る「日本エンターテイナーライツ協会」(ERA)を立ち上げ、共同代表理事を務めています。
20日、雨上がり決死隊の宮迫博之さんとロンドンブーツ1号2号の田村亮さんが、都内で記者会見を行いました。
記者会見の中では、闇営業のほか、吉本興業の社長から、「会見をしたら、連帯責任で全員クビにする」という発言や「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本の株主だから、大丈夫やからと言われた」という吉本側の対応に関する発言があったと述べています。
■芸能界の構図が明らかに
今回の記者会見では、芸能業界における芸能人の地位の不安定さや弱さが明らかになったと思っています。
宮迫さんと亮さんは、今回、吉本側と「口頭の契約のみ」で契約書を締結していませんでした。そのため、所属する芸人としては、いつでも事務所側から一方的に契約を解除することができる立場であったといえます。
また吉本側の対応からも芸能人の権利や彼らの芸能活動に全く配慮していない言動があったと感じています。実際に彼らも不信感があったと述べています。また、記者会見中の亮さんの契約解消の発表にも違和感しかありません。もし、記者会見の内容が真実であれば、重大な問題だといえます。
なお、多くの芸能事務所では、所属する芸能人と専属契約書を締結していますが、芸能人を不当に拘束する内容や不利益な内容が多く、とても公平な契約書とはいえません。
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■テレビ局の信頼も問われている
先日の公正取引委員会のジャニーズ事務所に対する注意においても、報道において、テレビ局との関係が問題となりました。
今回の吉本側の発言は、芸能事務所とテレビ局の繋がりを示すものでもあります。実際に今回の記者会見においてテレビ局の記者たちは、吉本側の対応についてほとんど質問していませんでした。
これには正直違和感しかなく、また記者会見の発言のとおりだなと思わせる記者たちの姿勢だったといえるでしょう。
先日の公正取引委員会による注意については、大きく取り上げない番組も多かった中、来週月曜日から、各情報番組がどのように取り上げるかはわかりませんが、テレビ局の姿勢も問われそうです。