日本共産党・田村智子参院議員に聞く 「授業料値上げ・有利子の奨学金で異常事態が拡がっている」

日本共産党で政策委員長を務める田村智子参院議員。学生時代から一貫して大学授業料や奨学金の問題に取り組んできた。

2020/02/09 19:40


日本共産党・田村智子参院議員

各党の青年局長・若者担当議員に聞くインタビューシリーズ、第3弾は、日本共産党で青年学生委員会の責任者を務め、今年1月からは政策委員長となった田村智子議員。

自らも早稲田大学在学中に日本民主青年同盟(民青)に加入して、学費値上げ反対運動に参加。卒業後は、高校生・大学生向け機関紙の編集にも携わってきた、比例区選出の参院議員(2期)だ。



■「議員でつくる政党」ではない共産党

非正規雇用の増加や、ワーキングプアといった言葉が一般的になってきた昨今、SNSなどでは若い世代で共産党を評価・支持する声も目立つ。どのような若者対策を行っているのだろうか。

田村:1月に政策委員長となって、青年学生委員会の責任者は30代の参議院議員、吉良よし子さんになりました。今回は、交代時期とインタビューが重なってしまったので、私がお話しします。


青年分野にかかわる政策は政策委員会、若者向けの政策PRなどは宣伝局というように、若者対策は党全体でやっています。青年学生委員会は、若い人たちに共産党に入ってもらおう、党の政策や綱領を一緒に学ぼうという活動をしています。


共産党は、「議員でつくる政党」とはちょっと違います。普通に暮らしている人が政治を変えよう、世直ししたいと思って共産党に入ってくる。それぞれの役割分担で活動する政党です。


私も国会議員をやっていますが、議員になりたくて入る人はまずいません。それぞれの世直しの運動をやってきて、要請されて候補者になる形です。


なので、党の基本が国会議員ではなく現場にあるんです。たとえば、1月に党大会を開催しましたが、これは5日間行いました。全国から約1,000人の代議員・評議員が集まって、みんなで議論する。その中で、国会議員はごく一握りでしかありません。


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■ライフワークは「授業料と奨学金問題」

若者向けの組織を担当する田村議員だが、自らが政治家になる前から今に至るまで一貫して取り組んでいるのが、授業料と奨学金の問題だ。

田村:私が民青に入り、共産党に入ったきっかけも大学の学費値上げでした。日本の大学がいかに授業料が高すぎて、奨学金で借金まみれにしているか、この政治の誤りをなんとしても正したい。


とくに女性の場合は、自分が子供を産んだときに働き続けられるのかの問題もあり、奨学金が借金になって、結婚を躊躇させる要因にもなってしまっている。異常事態が拡がっているのを感じます。


私が大学に入学した年(編集部注:1984年)に初めて有利子の奨学金ができたのですが、それまで無利子のものしかなく、支給額も条件によって決められていました。


希望に応じて、貸し付ける額を増やせるとなったのが、私がちょうど国会議員の秘書をやっているときで、「これをやったら絶対自己破産が起きる」と思いました。今では500万、大学院までいくと1000万、返せる担保もないのに18歳で貸付を開始するのです。


一方で授業料を値上げしておいて、払えなかったら奨学金という制度ですから、本当に間違った政策に足を踏み出したな、と。大学授業料は、とくに2000年頃、小泉政権の構造改革で非正規が増え始めた頃に、がんがん上がり始めた。限度を超えた値上げだったと思います。

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