茂木外務相、新型コロナに期待高まる治療薬『アビガン』の無償供与を明かす
茂木敏充外務相は、新型コロナウイルスの治療薬として期待されている「アビガン」について言及。「希望があれば他国に無償で供与する」と方針を明かした。
7日、開かれた定例記者会見において茂木敏充外務相は、新型コロナウイルスの治療薬として期待されている「アビガン」について言及。「希望があれば他国に無償で供与する」と方針を明かした。
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■インフル治療薬を代用
アビガンは「富士フイルム富山化学」が開発した新型インフルエンザ治療薬で、茂木大臣は「アビガンはウイルスの増殖を防ぐ薬。海外の多くの国から関心が寄せられている」と重要性を説明。
副作用があるため、現在国内では臨床試験(6月末まで)を進めているところだが、他国からもこのアビガンを求める声があり、「電話会談などで直接の要請を受けている。希望する国々と協力しながら、臨床研究を拡大させたいと思っている」と明かした。
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■20ヶ国とは供与の調整済み
茂木外務相は供与に向けて、「日本へ臨床データを提供することを約束した上でインドネシア、チェコ、イランなど20カ国と調整済み、バングラデシュやイスラエル、エジプトなど30カ国と調整を続けている」と公表した。
また、これらを行うため政府は合計100万ドルの緊急無償資金協力を決定している。
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■途上国への感染をどう防ぐか
これらの交渉は急ピッチで行われてきたようで、「この2週間で10数回の電話会談、テレビ会談を重ね、情報共有、知見の共有を各国と重ねてきた。治療薬、ワクチンの開発についても国際協力を続けていく」と説明した茂木外務相。
今後、発展途上国で感染拡大が懸念されていることについては「国際社会全体として、どう支援をできるか、強化していくか、検討を続けているところ」と明かした。
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(文/しらべぇ編集部・キモカメコ 佐藤)