山梨コロナ帰省女性に相次ぐ「ネット私刑」 弁護士が警鐘を鳴らす理由
新型コロナウイルスの陽性が判明後、山梨県から高速バスで東京都に戻った都内在住の20代女性に、誹謗中傷が相次ぐ。これら「私刑」について、弁護士の見解は…
新型コロナウイルスの感染が判明した後に、山梨県から高速バスで東京都に戻った都内在住の20代女性。さまざまな媒体で報道され、SNS上でも女性の行動を批判する声が相次いだ。
そして、こうした批判が過激化した結果、行き過ぎた「ネット私刑」にまで発展している。
■「私刑」は犯罪か
ネット上には、女性の名前や実家の住所と思われる情報を載せたサイトまであり、数々の情報が事細かくまとめられている。これらの情報はSNS上でも拡散され、数々の誹謗中傷コメントが相次ぐ事態に。
中には、こういった行動はネット上だけに留まらず、勤務先と拡散された会社への誹謗中傷もあったようだ。また、中には女性の個人情報が記された紙を貼っているという人もおり、実際に記者もそういった張り紙を確認した。
まさに「私刑」と呼べるほど過激化したこれらの行為だが、はたして法律違反にあたるのだろうか。しらべぇ編集部は、レイ法律事務所に所属する森伸恵弁護士に話を聞いた。
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■ネット私刑が罪になる場合も
そもそもネット私刑とは「犯罪者やその家族・親族等の個人情報をインターネット上に公開し、制裁を下そうとする行為」のことを指すようで、「『何人も~法律の定める手続きによらなければ~刑罰を科せられない』(憲法31条)ところ、ネット私刑は法律の手続によらずに制裁を下してしまうという意味で罪になる可能性があります」とのこと。
具体的な行為として「ネット上に女性やご家族のお名前や顔写真、連絡先、職場等を書き込んだり、この書き込みを拡散する行動」が該当するという。