園児28名が給食後に発疹 生魚だけでないヒスタミン食中毒の実態を東京都に直撃
聞きなれない「ヒスタミン食中毒」とはどんなもの?これを防ぐ注意点とは…
11日午前11時から給食を食べ始めた墨田区の園児たち28名が、約10分後に腕や顔に発疹の症状が現れた。この原因はヒスタミン食中毒とみられている。しらべぇ取材班は、このあまり聞きなれない食中毒の実態を追った。
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■園児のみが中毒症状を発症
東京都福祉保健局によると、症状を呈した園児たち全員が保育園で提供されたきつねうどんを食べていたという。
この給食をヒスタミン検査したところ、きつねうどんやきざみ揚げ、だしパックから最高で20ミリグラムのヒスタミンを検出。大人一人当たり22~320ミリグラムのヒスタミンを摂取すると、食中毒症状を呈する。
子供はヒスタミンの感受性が高いと言われており、大人もきつねうどんを食べていたが、発症したのは園児のみだった。
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■重症化すると呼吸困難や意識不明に
ヒスタミンによる食中毒は、赤身魚に多く含まれるアミノ酸の一種であるヒスチジンが多量のヒスタミンに変わってしまったときに起こる。
ヒスチジンが多く含まれる魚(上グラフで赤身魚はオレンジ・白身魚は緑)ほど、ヒスタミン食中毒の原因になりやすい。発症すると食べた直後から1時間以内に顔面硬直やじんましん、頭痛、発熱などの症状が出る。重症の場合は呼吸困難や意識不明になることもあるが、死亡事例はない。