令和に変化するお笑い界 たんぽぽ・川村エミコ「自虐で笑ってもらえるのは幸せ」
「お笑いジェンヌ」になるべく、お笑いの道へ進んだ川村エミコ。彼女が感じるお笑い界の変化とは。
お笑いコンビ・たんぽぽの川村エミコが、自身初のエッセイ集『わたしもかわいく生まれたかったな』(集英社)を、10月5日に上梓した。
幸せでも不幸せでもない、かけがえのない記憶の数々が記された本書は、「あ~、私にもこんなことがあったなぁ」と、読者それぞれが心の中に持つ「思い出ボックス」を開くきっかけになる一冊となっている。
しらべぇ取材班では今回、このタイミングで川村にインタビューを実施。同エッセイの中でも綴られている家族の話や、現在のお笑い界についても話を聞いた。
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■父から毎年届いた公務員募集要項
―――本日はよろしくお願いします。エッセイの中に書かれていた「保証人にだけはなるな」「エミコちゃんはあまり綺麗ではないから字は綺麗なほうがいい」といった、お父様からの言葉が印象的で。お父様は普段寡黙な方だったとのことですが、伝えたいことがあるときは具体的に何でもはっきりとおっしゃっていたのですか?
川村:寡黙なほうですが、大人として話すべきところはちゃんと話すような人ですね。「保証人にだけはなるな」というのも、父は「具体的に言おう」とは思っていないんでしょうけど、生活の中で必要だと思ったことを伝えてくれていたんだと思います。
私が芸人になってからも、特に反対されたことはなかったのですが、毎年、公務員の募集要項が手紙とともに送られてきていました(笑)。そういう意味では、具体的だったのかもしれません。
―――手紙にはどのようなことが書かれていたのですか?
川村:「元気でお過ごしでしょうか? 寒くなってきましたので…」という季節の挨拶から始まり、「公務員になるためには30歳まで」と具体的な受け方を書いてくれていました(笑)。
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■「みかんは長くもつので5キロでも大丈夫」
―――エッセイを読む前、お父様が川村さんに言った言葉だけを見ると、厳しい方なのだなと思っていたのですが、エッセイを読んでこうしてお話を聞いていると、とてもあたたかい方なのだろうなだと思います。
川村:この前もみかんを送ってくれるとなったときに、Sサイズにするか、Mサイズにするのかを聞いてくれたのですが、「Mがいい」と言うと、「Mサイズは皮が分厚くて食べきれないです。
でも、Sサイズだと皮まで食べられます。栄養にもいいので、川村家ではSサイズをお母さんと食べていますが、どうしますか?」と(笑)。
一つひとつが丁寧ですね。「2キロ、3キロ、5キロどれにしますか?」と聞かれて、「一人暮らしなので2キロでお願いします」と答えると、「みかんは長くもつので5キロでも大丈夫です」と言ってくれます。