もし統一協会報道があれば参院選投票に影響していた? 60代では7割が…
安倍晋三元首相の銃撃事件から注目を集める統一協会問題。しかしもし参院選投票日前に今のような報道があったら…。
7月8日、参院選の遊説中に奈良市で凶弾に倒れた安倍晋三元首相。事件発生当初は、山上徹也容疑者の動機や背景などが詳しく報じられず、応援演説のさなかに起きた事件ということもあり、「民主主義への挑戦」などいう視点の報道も目立った。
しかし、山上容疑者の母親が旧統一協会(世界平和統一家庭連合)の信者であり、容疑者がいわゆる「宗教2世」として過度の献金や家族崩壊など厳しい環境に置かれていたことが判明すると、その行為自体は決して許されないものの、旧統一協会への批判的な報道が増加した。
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■臨時国会でも議題に
現在開かれている臨時国会でも、旧統一協会問題は中心的な議題のひとつ。また、情報番組やニュース報道、ドキュメンタリー番組などでも教団の抱える問題や過去のトラブル、政治との関わり、宗教2世の問題などが連日のように放送されている。
旧統一協会やその関連団体は、共産党を除く政界の各所と関係を築いていたが、とくにその深さが問題視されているのは、自民党安倍派(清和政策研究会)だ。
安倍氏の銃撃事件当初は報じられなかったこうした問題が、もし現在のように明るみに出ていたら、参院選の投票行動は変わったのだろうか。
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■6割が「影響していた」
Sirabee編集部が、全国10〜60代男女880名を対象に調査したところ、じつに60.5%が「統一協会報道があれば参院選の投票行動に影響していた」と回答。
自民党は改選55議席に対して63議席を獲得し、単独で改選過半数となったが、この中には安倍元首相への弔いや事件への批判からの票もかなりあったものと思われる。
岸田文雄首相にとっては、実質的に初の国政選挙で圧勝だったが、一部の雑誌メディアなどを除いて大手メディアが投票日まで統一協会に関する報道を控えたことは、結果的に与党・自民党に有利に働いたようだ。