使い捨てカイロ、「意外なもの」にリサイクル可能だった 全人類を救う性能に衝撃
使い終わったら捨ててしまうカイロ。じつは、環境問題に役立つ可能性を秘めていて…。
連日肌寒い日が続き、使い捨てカイロを使う人も多いだろう。使い捨てカイロはその名の通り、一度使ったらゴミ箱に捨てるのが一般的。
じつは、このカイロが地球の「ある問題」を解決する可能性を秘めているのをご存知だろうか。
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■使い捨てカイロに意外な使い道
使い捨てカイロは一定の時間が経つと、冷たくなる。そうなれば、使い道がなくなったと思い捨てることだろう。
だが、カイロは生まれ変わることができる。環境ベンチャー企業「Go Green Group(ゴーグリーングループ)」は、使用済みのカイロを集めて、汚れた水を浄化する活動をしている。
同社の公式ホームページによると、集めたカイロの中身を取り出し、工場で「キューブ」というものに加工し、それを汚れた池や海に入れると水をきれいにすることができるという。
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■カイロで水がきれいになる仕組み
役目を終えると、ゴミになるイメージが強いカイロ。なぜ、使用済みのカイロが水の浄化につながるのだろうか。Go Green Group株式会社で代表を務める山下崇さんに話を聞いた。
「カイロの中身を集めたキューブを汚れた水の中に入れると、二価鉄イオンが発生します。それが汚れた水の中にある硫化水素やリン酸などの物質と結合し、二価鉄に変わって水の透明度が上がるんです」(山下さん)。
海や池など水の汚染は深刻な環境問題だ。カイロで汚れた水を浄化できるのであれば、全人類を救う可能性を秘めていると言っても過言ではない。
この研究は以前から東京海洋大学が進めていたそうだ。山下さんはその研究に興味を持ち、2016年に一人でカイロによって水を浄化する活動をスタートし、18年に現在の会社を立ち上げたという。
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■子供達の学びの場に
具体的にどんな活動をしているのだろうか。「大阪や四国、九州などの池にカイロから作ったキューブを投入しています。大阪の役所の池では、地元の子供達と一緒に実験し、学びにしました。自然環境なので一概には言えませんが、キューブを入れて大体3ヶ月くらいで効果が出ます」(前出・山下さん)。
昨年8月には、山下さんと大阪の桃山学院中学・高等学校が協力して、生徒が主体になって環境保全活動を行う「桃山Go Green Project」をスタートさせた。子供の頃にそうした活動に関われば、環境に対する意識も高まることだろう。
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■回収も着々と進んで…
現在、使用済みカイロを回収するポストが全国各地に設置されている。山下さんの事業に賛同した人達が融資で作ったそうだ。
カイロの回収は着々と進んでいるようで…。「弊社の倉庫には個人で大体1万人くらい、企業は200~300社、学校も100校ほどにのぼります。北海道から沖縄まで幅広く送ってもらっています」(前出・山下さん)。
最後に今後の目標について尋ねると、山下さんは「もっと事業が大きくなったら、コンビニに回収ボックスを置けるようになればと思っています」と力強く語った。多くの人が立ち寄り、カイロを購入することも多いコンビニに置けばさらなる効果が期待できそうだ。
カイロを使い終えたら、ぜひ捨てずに最寄りの回収ボックスに持ち寄ってほしい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/桃山GoGreenProject)