スシロー、批判続出の”スプレー噴射” 弁護士は「損害賠償の可能性」と分析
スシローのレーンを回る寿司にアルコールスプレーをかける迷惑行為。弁護士は悪質な行為に警鐘を鳴らす。
相次ぐ飲食店での迷惑行為。今度は、スシローでアルコールスプレーを噴射する男の動画が波紋を呼んでいる。
弁護士に今回の件に関する見解を聞いてみると…。
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■レーンの寿司にスプレーを噴射
問題となったのは、2月24日に拡散された動画。内容としては、スシロー店内で男性客がレーンを流れる寿司に消毒用のアルコールスプレーを噴射するという悪質極まりないもの。
スシローでは、1月下旬に少年が醤油のボトルや湯呑を舐め回して元の場所に戻したり、レーン上の寿司に唾液をつける「ペロペロ事件」が問題になったばかり。そんな中、明らかになった新たな「飲食店テロ」。ネット上では、厳しい批判の声があがっている。
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■「厳正に対処する」
2月27日、スシローの運営会社はこの件を受けて、同月24日に警察へ被害届を提出したことを発表した。同社は「このような行為は、お客さまへ安全・安心な商品を提供する上で、お客さまとの信頼関係を損なう重大な事案であると重く受け止めている」としつつ、「過去の事案と同様、警察と相談させていただきながら刑事民事の両面から厳正に対処してまいります」とコメント。
今後の状況によっては、スシロー側が男に法的措置を取る可能性もあるということだ。
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■「損害賠償の対象になる」
仮に、スシロー側が法的措置に踏み切った場合、「スプレー噴射男」はどのような責任を問われるのだろうか。レイ法律事務所の髙橋知典弁護士は、損害賠償責任を負う可能性があると指摘する。
「直接スプレーを噴射されてダメになった食品分や、店内に他のいたずら行為がないか等の点検や清掃といった安全な営業をするのに必要な対策の費用分、また、この行為が売上等の低下を生じさせた場合その金額分も損害賠償の対象になると考えられます」(髙橋弁護士)。
動画内で、男はレーンを回る空の皿にスプレーを吹きかけた後、ネタの乗った2皿にスプレーを噴射していた。動画に映っていないところで同様の行為に及んでいる可能性もある。
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■重大な事故につながる可能性も
一連の飲食店への迷惑行為の中でも、今回のケースは特に悪質である。前出の髙橋弁護士も、「店舗側に対して、業務妨害罪が成立する可能性があります。また、食品を汚染し、食べられない状態にしているため、器物損壊にも該当します」と強調する。
アルコールを受け付けない体質の人が、アルコールのかかったネタを食べれば重大な事故になった可能性もある。その点も踏まえつつ、前出の髙橋弁護士は続ける。
「今回の噴射は、吹きかけた種類や量によっては、実際に食べた人の健康を損なった可能性があります。仮に誰かが食べてしまい、体調を崩した場合は毒を盛ったのと変わらないため、他のお客さんに対する傷害罪が成立する可能性もありました」(前出・髙橋弁護士)。いずれにせよ、仲間内での”悪ふざけ”で済まされないことは明白である。
コロナ禍で、飲食店にアルコールスプレーがあるのは当たり前になりつつある。本来、来店した客が安心して食事するために使うものを悪用する行為は絶対に許されてはならない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)