約9割が読み方を知っている『柳葉魚』 じつはそのほとんどが代用魚だった
その名はアイヌの伝説に由来するという、世界中でも北海道にのみ生息する魚とは…。
子持ちを炙れば絶品のツマミに…。飲食店でも家庭でも親しまれているが、ホンモノは漁獲量が少ない大変貴重な魚だった。
■「柳葉魚」を何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「柳葉魚」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で92.2%の人が「ししゃも」、7.8%の人が「さんま」と読むと回答した。
「ししゃも」と読む人は男性が89.7%で女性が94.9%。「さんま」と読む人は、男性が10.3%、女性は5.1%という結果に。
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■正しくは「ししゃも」
「柳葉魚」の正しい読み方は、「ししゃも」。キュウリウオ目キュウリウオ科に属する魚で、川で産卵し海で成長して川に戻る遡河回遊魚。北海道南東部の太平洋沿岸の一部にのみ生息する。
近年、生息地域も限られる「ししゃも」は漁獲量が減少し貴重な魚となっており、店頭で見かけるものはほとんどが代用魚だという。いまでは、単に「シシャモ」と言う場合、カラフトシシャモ(カペリン)を指すのが一般的のようだ。
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■アイヌ民族の伝説に由来
「ししゃも」の名は、アイヌ語の「susu(スス・シュシュ):柳」「ham(ハム):葉」が変化したもので、「柳の葉」という意味を持つ。これは、アイヌ民族の伝説に由来している。
食べ物に困っていたアイヌの人々がカムイ(神)に祈りを捧げたところ、哀れんだカムイが柳の葉を魚に変えて与えたという伝説や、散っていく柳の葉を哀れんだカムイが魚の姿に変えたという伝説があるようだ。
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■「さんま」の漢字は「秋刀魚」
「さんま」は漢字で「秋刀魚」と書く。ダツ目サンマ科の魚で、北太平洋に広く生息する海棲硬骨魚の1種。日本では、秋の味覚として親しまれている。
その名の由来には、「細長い魚」を意味する「サマナ(狭真魚)」の音が変化したとする説や、大群をなして泳ぐ習性を持つことから「大きな群れ」を意味する「サワ(沢)」と「魚」を意味する「マ」を合わせた「サワンマ」が語源となったという説など、諸説あるようだ。
現在使われている「秋刀魚」という漢字は、秋に穫れる刀のような形の魚の意を表したもので、大正時代以降に広まって定着したものだという。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)