コロナ5類で撤去されたアクリル板、リサイクル可能だった 「生まれ変わった姿」に驚き

コロナ5類に移行して、アクリル板が撤去されることが多い。これをリサイクルする会社があって…。

2023/05/31 04:15


飲食店アクリル板

コロナ禍で会社や飲食店などに設置されたアクリル板。最近は撤去されるところが増えている。使わなくなったアクリル板は「新たなもの」に生まれ変われるようで…。

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■アクリル板を撤去する会社も

アクリル板は、コロナの流行当初から飛沫感染対策として、会社や飲食店、コンビニなどで導入された。会社に行くと、隣の席の人との間に透明な仕切りがあるのがお馴染みだったのでは。

だが、5月8日からコロナの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行して以降、変化が。都内の会社で働く30代男性のAさんが語る。

「5類になった数日後に、取り外されました。以前から、会議室で打ち合わせする時にお互いの声が聞こえにくいという声があがっていました。でも、中々取り外すタイミングがなかったんです。私の会社では、5月8日以降、マスク着用も個人の判断に任せることになったので、同時に、アクリル板も撤去されることになったのでしょう」(Aさん)。


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■回収する会社も増えている

不要になったアクリル板はごみとして捨てられることも少なくない。ただ、廃棄せずに資源として活用する企業も増えている。

ネット上で、「アクリル板 引き取り」と検索すると、引き取りサービスを実施する会社が多数見受けられる。プラスチック製品や素材を扱う専門商社である、緑川化成工業株式会社もその一つ。

同社は、使わなくなったアクリル板を回収し、リサイクルしている。飛沫感染対策として活躍したアイテムは、どんな使い道があるのか。緑川化成工業に話を聞いた。


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■リサイクルの方法は…

同社の担当者によると、主に会社で使用されたアクリル板を回収しているという。なぜ、回収事業を始めたのか尋ねると、「当社はアクリルなどプラスチック材料を販売する業態です。そのため、コロナ期に需要を迎えたアクリルパネルが大量廃棄されることなく、再原料化を行うことで循環利用し、環境保護に貢献しようと考えました」(担当者)とのこと。

アクリル板

近年、プラスチックごみを削減する動きが加速している。そんな中、アクリル板がごみとして捨てられる状況を見過ごせなかったのだろう。

リサイクルの方法としては、物から物へ再利用するマテリアルリサイクルを導入しているという。「回収した飛沫防止アクリルパネルを破砕し、識別機によって製法ごとに仕分けします。仕分けしたアクリルを再度細かく粉砕しながら洗浄して汚れを取り、粉砕アクリルを加熱溶解し、ペレットと呼ばれるアクリルの原料を作ります。現在、新たな設備も準備中で、10月からの稼働を予定しております」(前出・担当者)。


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■「駅ホームの掲示板カバーに」

粉砕されて新たにできたアクリルの原料は、そのまま販売し再度市場で使用されるケースと、この原料を再度加熱溶解して板状に成形し、再生アクリル「リアライト」として販売されるケースがあるそうだ。

後者のケースについて尋ねたところ、前出の担当者からは、「この板材料が裁断、接着、印刷など加工され、駅ホームの掲示板カバーや間仕切り面材、化粧品などの展示什器(じゅうき)として市場に流通しております」という回答が寄せられている。

駅の掲示板にはポスターなどが貼られているが、それらを覆うアクリルカバーは欠かせないものであろう。これほど、我々の生活に身近なものに生まれ変わるとは思っていなかった…。

会社のアクリル板、コロナ禍で役目を終えたとは思わず、ぜひリサイクルに出してほしい。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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