『蝦蛄』を何と読む? 茹でて色が変わった様子がまるで「花」のよう
エビのようでエビじゃない。その名の由来はある花の名前から。
正しく読めた人は約6割。寿司屋で目にすることの多いあの海の生き物とは。
■「蝦蛄」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「蝦蛄」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で64.1%の人が「しゃこ」、35.9%の人が「たにし」と読むと回答した。
「しゃこ」と読む人は男性が62.3%で女性が65.8%。「たにし」と読む人は、男性が37.7%、女性は34.2%という結果に。
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■正しくは「しゃこ」
「蝦蛄」の正しい読み方は、「しゃこ」。軟甲綱(なんこうこう)」トゲエビ亜綱シャコ目(口脚目、シャコ類)に分類される甲殻類の総称、もしくはそのうちのシャコ科シャコ属に属する1種を指す。
エビ類に似ており、分類学上でも甲殻類のうちエビ類やカニ類などと同じ軟甲綱に属しているが、類縁関係は遠いようで、エビ類に見られるようなハサミのような脚も持っていない。
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■シャクナゲの花がその名の由来?
淡い灰褐色の殻を茹でると紫褐色に変化するが、それがシャクナゲの花に似ているとして、江戸時代には「シャクナゲ」と呼ばれていたという。「石楠花・石花」という表記から「シャクカ」と呼ばれさらになまってシャコとなったとされている。
日本では食用として親しまれているシャコだが、エビよりもあっさりとした食感で、寿司ネタとして食されることが多いようだ。ほかにも、塩ゆでや唐揚げ、新鮮であれば刺し身として食べることもできるという。
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■「たにし」の漢字は「田螺」
「たにし」は漢字で「田螺」と書く。腹足綱原始紐舌目(ふくそくこうげんしちゅうぜつもく)タニシ科に分類される巻貝の総称で、南米と南極大陸を除く各大陸とその周辺地域の淡水に生息している。
その名の由来には、田に棲む貝の王様という意味合いで「田主(たぬし)」が「たにし」になったという説や、「にし」は巻き貝やサナギを指しており、田んぼに住む巻き貝という意味で「たにし」と呼ばれるようになったという説などいくつかの説があるようだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)