パリ五輪の女子ユニフォームにアスリートら困惑 「有益なデザインなら男性も着るはず」
脱毛サロンをチームのスポンサーにすべき? パリオリンピックの女子陸上ユニフォームがハイカットすぎるとして、多くの選手が懸念を表明した。
7月26日からの開催が予定されているパリオリンピック。アメリカでは女子の陸上ユニフォームのデザインを巡って、五輪出場経験のあるアスリートたちを巻き込み、大きな論争が起こった。『USA Today』『The Sporting News』などの海外メディアが報じている。
■最新ユニフォームが炎上?
最新のスポーツ科学によって、選手の体に完璧にフィットするようデザインされたユニフォームは、時として身に着ける選手の心情を置き去りにすることもある。
アメリカがパリオリンピック向けに発表した陸上、バスケットボール、サッカー、スケートボードで代表選手が着用するユニフォームは、まさにこのパターンかもしれない。
Instagramにその写真が投稿されると、一般の人々だけでなく、五輪出場を経験したことのある選手からも批判が殺到した。
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■女子のデザインに懸念点
新しいユニフォームは、NSRL(Nike Sports Research Lab)が開発に関わっており、男性はぴっちりとしたタンクトップにスパッツと、動きやすい印象だ。
一方で女性はハイライズされたブラジリアンカットのパンティラインが目立っており、競技中にこの部分が「不具合」を起こすのではと多くの人が疑問視している。
実際に、2020年の東京オリンピックに出場した陸上選手のタラ・デービスは、「私の下半身がはみ出してしまう」とSNSで懸念を表明した。
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■脱毛サロンをスポンサーに?
陸上の全米チャンピオンであるローレン・フレッシュマンは、Instagramでこのユニフォームを痛烈に批判。「本当にこの服が有益なら、男性も着るでしょう」「これは陸上競技のエリートが着るユニフォームではなく、家父長制の力から生まれたコスチュームです」と述べた。
また、アメリカのハードル選手のクイーン・クレイは、脱毛サロン「European Wax Center」に、チームのスポンサーにならないかと皮肉まじりにコメントした。
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■数ある選択肢の一つ
新しいユニフォームの露出に関する議論が白熱する中、SNSでは「この写真は実物とは違う」という声もあがっている。
物議を醸しているハイカットのデザインは、あくまでも数ある選択肢のうちの一つに過ぎず、選手はフルレングスのボディスーツなども利用できるというのだ。
当初は驚いていたタラ・デービスも、「今日(ユニフォームを)見ました。とても美しく、写真とは違っていました」と、後日になってコメントしている。
初手で多くの選手からの不信を買ってしまった新ユニフォームは、果たして本番までに信用を取り戻すことはできるのだろうか。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)