給食「完食指導」で不登校、大人になってもトラウマ続く 支援団体「強制やめて」
学校給食の「食べ終わるまで席を立つな」の「完食指導」。不登校になる子供だけではなく、大人になってもトラウマになり「会食恐怖症」の発症のおそれも。
■「完食指導」でPTSD発症
昨年5月に設立した支援団体「一般社団法人 日本会食恐怖症克服支援協会」では、生徒や保護者らが集まる「お悩み相談会」や無料通信アプリ「LINE」の公式アカウントでの個別相談会も行っている。
完食指導がきっかけで心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、不登校や体調不良を起こしてしまったという相談が、昨年5月から今年9月までの期間で1,000人に上ったという。
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■1割強が「給食にトラウマ」
しらべぇ編集部が全国の20代~60代の男女1352人を対象に調査を行なったところ、「給食で食べてトラウマになったものがある」と答えたのは全体の13.9%。性年代別では、40代女性が5人に1人ともっとも高い数値であることがわかる。
支援団体も発表しているが、過去の完食指導がきっかけで、現在もなお人前で食事ができなくなった20代~30代が全体の8割を占め、うち7割が女性が多いそうだ。
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■「線引きが難しい」「バイキング形式は?」
「完食指導」について、「無理強いはダメ」「バイキング形式は?」など様々な意見が寄せられている。また、数十年前の小中学生時代を思い出す人も多いようだ。
「何十年も前から、昼休みに食べ終われずに苦しそうに食べてる子いたけど…今もそのシステムなの? 食べるスピードも体格も違うんだから無理強いはダメだって」
「今も給食係が器によそってるの? バイキング形式がよくない? 自分に合った分量を覚えていくためにも」
「いつも掃除の時間まで食べてる子がいたなぁ。ほこりが舞う中うつむいていて…もしあの子のお母さんが見たらどう思っただろう。 今、子供が出来てから思い出すとつらい」
支援団体は「給食は本来、楽しく食べて、食事の大切さを学ぶ場。強制は絶対にやめて」と訴えている。数年前には「完食指導」が訴訟に発展しているが、現在も相談が相次いでいるということは、大きな変化(改善)はないのだろう。学校側に多くの課題が出てきそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳)
対象:全国20代~60代の男女1352名(有効回答数)