ふるさと納税制度の未来はどうなる? 不満爆発の自治体や関係者に聞いてみた
ふるさと納税制度とは一体誰のためのものなのか? 総務省に翻弄され続けた地方自治体の苦悩の姿を追った。
■結局誰のための制度なのか
ふるさと納税の額が上位になると総務省が後出しで規制を強め、従わない自治体は公表される。この繰り返しだった。地場産品の定義の詳細な説明もなく、自治体は振り回されることに。総務省は、「返礼品の個別具体的な判断はしない」という姿勢を貫いた。
総務省への問い合わせも、都道府県を通じて行うという原則。ある県の担当者が言い続けた「総務省が各市町村に直接説明すべき。県を板挟みにしないでほしい」といった願いも叶うことなく、返戻品のルールも自治体側にとっては納得し難いものだった。
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■制度利用者は少数派
以前しらべぇ編集部が全国10代から50代の男女311名を対象に、アンケートサイト「マインドソナー」で行った調査では、83.3%の人が「ふるさと納税を納めたことがない」と回答している。
ふるさと納税という名前は認知されているが、利用したことがある人はまだまだ少ない。こんな中、限られたパイを獲得しようと必死になった自治体。
そして、ふるさと納税返礼品の人気の品は、肉、カニ、米だ。こういった特産品がない自治体は今後どうして行けばいいのだろうか。
■新たな試みも
法制度化されると、人気返戻品を持つ自治体に寄付が集中する恐れもある。ふるさと納税サイト『ふるさとプレミアム』を運営する担当者は、「佐賀牛 vs 神戸牛、あきたこまち vs コシヒカリ…のようなブランド対決になっていく可能性もある」と話す。
このふるさとプレミアムは、企業と連携し、お互いの強みを生かした返戻品の開発に乗り出した。地元出身の作家や芸術家、漫画家などと協力し、独自のアートやポスター、インテリアといった希少品を返礼品としてプロデュースしようという試みだ。
平成の時代は、総務省にたてつくと地方交付税がカットされた。「お上には逆らえない」という江戸時代のような恐怖政治にも見える。令和という新時代に、それぞれの自治体はどのような未来を描くのだろうか。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)