ネット上で再注目集める『ねるねるねるね』 その背景があまりに感動的だった
ネット上で注目を集めているお菓子『ねるねるねるね』のエピソードを探ってみた。
■「危ないお菓子」というレッテル
1986年に販売が開始され、今年で誕生から34周年を迎える『ねるねるねるね』だが、現在までの道のりは過酷なものだったという。
パッケージには保存料と合成着色料を使用していないと明記されているが、「合成着色料を使用しない」方針に切り替えたのはじつは2010年以降のこと。
時代の流れと共に「親世代の健康意識の変化」「合成着色料など添加物に関する知識の高まり」といった要素の影響を徐々に受けてしまい、「親からとても嫌われる商品になってしまいました…」と担当者は語る。多くの親にとって「色が変わって膨らむ」という不思議なお菓子は、「危ない商品」として映ったのだろう。
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■開発側の苦難と努力
『ねるねるねるね』のメインターゲットは、未就学児から小学校低学年。子供たちからすれば「自分の手で作れて色が変わるお菓子」というのは知的好奇心が刺激される非常に魅力的な存在だが、実際の購入者はほとんどの場合が親である。
そこでクラシエフーズは方向を大きく転換。大きな変更箇所については「親御さんたちの信頼を得るために『安全安心』を標榜とし、合成着色料の使用を中止して天然由来の色素を使用することとしました」「パッケージの表面に目立つように、『保存料不使用』と合わせてマーク化するようしています」とコメントしていた。
子供のハートを掴みつつ、同時に親の理解を得ることがどれだけ難しいかが伝わってくるエピソードと言えるだろう。
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■現在の親世代では…
「現代のお母さん」は『ねるねるねるね』にどのような印象を抱いているのだろうか。記者は続いて、5歳の男児を子に持つ20代女性にインタビューを行なった。
現在では新型コロナウイルスの影響による「緊急事態宣言」のため、子供が通っている保育園が休園になってしまったとのこと。そこで「良い時間潰しになれば」という思いで『ねるねるねるね』を買い与えたところ、見事に大ハマりしてとても助かっているという。
また、女性自身にとっても同商品は「幼少期、父親に買ってもらって弟と一緒に食べていた」という思い出の逸品のようだ。
『ねるねるねるね』の存在が親に難色を示されていたのは過去の話。子供の創造力と好奇心を刺激する、この素晴らしいお菓子の魅力に、ぜひ改めて触れてほしい。
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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)