あらゆる物体に「生命」を宿らせるガシャポンが話題 製作陣の本気度が最高だった
あまりにクオリティが高すぎるバンダイのガシャポン。無機物に「生命」を与える様子も確認されており…。
■工作過程が良い意味でカオス
そもそも、どういったことが切っ掛けでこれらの作品を発案したのか。
なるみさんに詳しい話を聞いてみると「この商品(ノコギリガザミ)は最初の状態では手や脚がバラバラになっていて、それを組み立てて作る仕様になっています」「関節をそれぞれ動かすことが可能なほどひとつひとつパーツの完成度が高く、脚だけを取って他のものに付けてみても面白いのではないか…と思ったのが切っ掛けです」という回答が。
脚のパーツを使って「生命を与える」コツとしては「モンスターエナジーや卵の殻を使ったものは、テープを使って付けているので少し難しいですが、みかんの場合は皮にそのまま刺すだけなのでオススメです」「カニから脚のパーツを取るとき強く引っ張ってしまうとちぎれてしまう可能性があるので、優しく扱うことをオススメします」と、細かい部分まで丁寧に教えてくれた。
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■「いきもの大図鑑」の歴史がスゴかった
続いて、良い意味でマニアックすぎる「いきもの大図鑑」を世に放ったバンダイ担当者に同シリーズ誕生の経緯を質問したところ、2018年に発売したガシャポンの「だんごむし」が想定を大きく上回る売れ行きを記録したことが判明。
「多くの人が普段、気にも留めなかった『だんごむしの体の丸まり方を手にとって確認してみたい』という欲求を持っていることに気付きました」「そこで面白い生態を持つ生き物にスポットを当て、その生態を手で触って確認できるフィギュアがあれば、普段生き物にさほど興味がない人の心にもしっかり刺さるのでは…と感じ、同シリーズをスタートしました」とのことで、「いきもの大図鑑」が本格始動した背景には、ユーザーからの予想以上の反響があったようだ。
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■半端ではないこだわり具合
なお、カニのフィギュアを製作するにあたってのこだわりも半端ではない。「カニの形状を正確に再現するため、ノコギリガザミとスベスベマンジュウガニは本物のカニの標本などを3Dスキャン機を使用し、原型を作成しました」「また動かした際にいかにもカニっぽい動きになるよう、各パーツ毎の関節部分の動く範囲などを、本物の関節の動きに近づけることを目指しました」と担当者はそのこだわりを語る。
もちろん苦労した点も少なくなく、生き物をそれなりの大きさのサイズで作成するため「細かいところまで正確に再現すること」が重要になるとのこと。
「常に形状など間違えているところがないか、最新の注意を払って進めていきますが、それでも途中で間違えている箇所に気付くことも多く…その度に修正を繰り返してきました」と製作過程を振り返っている。
商品の開発をスタートしてから発売まで約9ヶ月ほどかかるそうだが、その間は何種類もの図鑑で細部を確認し直したり、標本を眺めるだけでなく、ネットで動画も多数確認し、見落としている箇所がないかを常に気にし続けていたという。
まさに「カニ漬け」の9ヶ月間があったからこそ、万人の心に響く高クオリティのフィギュアが完成したのだろう。過去にもクオリティが高すぎるガシャポンを多数展開してきたバンダイだけに、「いきもの大図鑑」の今後の展開にも目が離せない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)