菅義偉首相に痛恨の一撃 横浜市長選で野党統一候補・山中竹春氏が圧勝
コロナ第5波のただ中で行われた横浜市長選は、野党統一候補・山中竹春氏の圧勝に。政局への影響も。
■ヤジにも身じろぎしなかった林市長
鋼のメンタルだと感心させられたのは林文子・市長。「嘘つくな。ババア」とヤジを飛ばされようが、有権者に近づいて無視されようが、気にしない様子で、IRカジノ誘致を前面に出し、聴衆がいなくても、演説を続けた。
筆者には方向性が間違っていると思えるものの、信条とする政策を真摯に訴える姿勢には好感が持てた。
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■スキャンダルはねのけた山中氏
当初は劣勢が予想されたのが立憲民主党が推し、日本共産党や社民党、新社会党が支援した山中竹春候補だ。一番の山場は写真週刊誌『Flash』が氏のパワハラ疑惑を報じたときだった。筆者は大学・大学関係者に取材して疑惑報道に疑義を呈した。
それを野党議員が拡散。日本共産党は支持者にも筆者記事を浸透させ、チラシにまでした。山中候補に会った際には、「一番辛いときに疑惑を否定してくれた」と感謝された。
筆者の検証記事もあってだろうか、山中候補は苦境を脱し、うなぎ登りで支持を伸ばしていった。桜木町駅前で行われた最終演説には500人近くが集まった。
■野党の攻撃に耐えられるか
開票率100%時点での上位3位の各候補の得票数・得票率は下記通り。
・山中竹春:50万6,392票(33.6%)
・小此木八郎:32万5,947票(21.6%)
・林文子:19万6,926票(13.1%)
山中氏を待ち構えるのが自民党・公明党が過半数を占める議会だ。山中氏は政治キャリアはゼロのため、市議会を乗り越えられるか、激しい攻撃に耐えられるか…が不安だ。当選は始まりに過ぎない。市長として大成されることを願いたい。
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(取材・文/France10・及川健二)