木梨憲武・山口智充らの活動から紐解く TV番組とネットメディアの未来図とは
木梨憲武や山口智充の活動より、TVとネットメディアのエンタメを考察。第7世代の筆頭である霜降り明星らの評価も。
■なおも硬直化する芸人番組
木梨も現在はアーティスト活動重視であるように、山口は『ダウンタウンなう』で、「芸人だからこうしなくてはいけない」という考えも否定したいとしていた。
浜田にもお笑いから離れる傾向は、先の発言以外にも顕著だ。芸人を多く出す番組は、制作にとって楽だという面もあるし、年々ますます増える芸人に活躍する場を与えるという需要がとくに大きいものと思われる。
多人数の笑いのテレビと個人の活動を提示できるネットメディアとの分岐が広がっていくだろう。
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■吉本中堅の団結力
多人数ひな壇番組文化は、吉本興業的な「チームプレイの笑い」とも結びついている。関西の上沼恵美子でさえ、「みんなでスクラム組んでおもろないようにしような、としているから今の若い芸人はつまらない」 というふうに批判的だ。
昨今は、第7世代の芸人が実力不足という評価がある。しかし、これも中堅芸人のひな壇文化のなれ合い度合い次第に過ぎないことを勘定に入れない、単純な評価と気づかない人も多いのではないだろうか。オードリーなども、番組内での吉本興業芸人の多さやネットワークには、度々言及している。
■ネットメディアの存在感
ちょうど第7世代の筆頭である霜降り明星も、テレビ以上にYouTubeでの活動が人気の面もある。
タレント個人の活動を表現しやすいネットメディアと、タレント個人の活動を表現しにくいテレビという構図が変わらないところに、ネットメディアの存在感がますます重みを増してくる大きな余地があるのではないだろうか。
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(文/メディア評論家・宮室 信洋)