秋葉原の横断歩道、突如ギョッとしだす人々続出 日本一優しい「標識」が話題に
横断歩道を歩いている最中、ふと上を見ると…。空中に浮かんだ「衝撃的なメッセージ」に注目が集まっている。
■「掲出の理由」に思わず納得
今回の取材に応じてくれたのは、東京都練馬区に本社を構える「太陽巧芸社」の代表取締役・熊谷祥成氏。
同社は屋外広告に関する事業をメインに展開しているのだが、新型コロナウイルスが猛威を奮っている昨今では「外出する人」の数そのものが大きく減少し、屋外広告はモロにその影響を受けてしまう。
昨年5月ごろには「渋谷駅周辺から広告が減っている」として、ツイッターを中心にSNS上で大きな話題となったことも記憶に新しい。
そうした状況を踏まえ、熊谷氏は「とうとう秋葉原を象徴するヨドバシカメラさんの前の(消火栓の)広告にも空きが生じてしまいました」「そこで当社では、件のメッセージを昨年の9月頃から設置するようになったのです」と、広告掲出の経緯を語ってくれたのだ。
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■「広告ではない」最高の広告
普通に歩いていただけでは気づかない位置に、一風変わったメッセージを記した件の標識。果たして「広告」としてはどれほどの効果があるのだろうか…。
こちらについて熊谷氏に詳しい話を尋ねてみたところ、「広告としての効果は正直全くないですね」とのことで、電話番号を記載しているにも関わらず、「標識を見た」といった旨の電話もかかってこないそうだ。
というのも実際、同社は件のメッセージを決して損得勘定の「広告」として掲出しているわけではないのだ。
インパクト満載のメッセージについて、熊谷氏は「コロナ禍で街中から広告が次第に減っていってしまう中で、少しでも皆さんが元気になれて、笑顔に慣れるような言葉を届けられれば…という思いから、こちらの文章を掲出しました」と、笑顔で語ってくれた。
なお、記者が10月某日に現地の様子をウォッチしに行ったところ、こちらの標識に気付いたと思しき人もチラホラと見受けられ、そのほとんどが笑顔でスマホカメラを上に向けていた。太陽巧芸社並びに熊谷氏の真摯な思いは、人々の胸にしっかりと届いているのだ。
この日本一ユーモラスで優しい広告は、今日も秋葉原の人々を暖かく見守ってくれていることだろう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)