「はい」を選ぶと即ゲームオーバー? 短編ノベルゲーム『DON’T SAY YES』プレイレビュー 1周10分クリアだがストーリーの深さが際立つ傑作
身体を乗っ取りにきた悪魔も思わず涙? 10分で遊べるのに情報量がエグい衝撃展開ノベルゲーム。
インディーゲームレーベル「VODKAdemo?」(ウォッカでも?)の紅狐氏が手掛けた短編ゲーム『DON’T SAY YES』がSNSで人気を集めている。プレイ時間は1周約10分と短いながらも、記者が体験した濃密なプレイ体験をネタバレなしで紹介する。
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■月に不時着し「あくま」と遭遇
本作は「GB Studio」を使用して開発された、ゲームボーイ風のモノクロ4階調のアートワークや音楽が特徴のフリーノベルゲームだ。
ルナ歴22XX年に一隻の宇宙船が月へ墜落したところから物語は始まり、宇宙船のパイロットである主人公は月にいる「あくま」に遭遇する。
生命維持装置が壊れてしまい、このままでは死を待つばかりの主人公に対して「あくま」は、傷を治す代わりに身体を明け渡すよう要求してくる。
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■「YES」を選ぶと…
SF的な物語かと思いきや、月には悪魔がいるというユニークな導入からストーリーが開始する本作。
話を進行するための選択肢は「YES」か「NO」の2択しかないのだが、タイトルで「YESと言ってはいけない」とあるように、「YES」を選ぶとたちまちゲームオーバーになってしまう。
それを回避するには「NO」を選び続ければいいのだが、物語が進むと、主人公であるパイロットの生い立ちについて、衝撃的な事実が徐々にプレイヤーに明かされていく。
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■「あくま」の変化が楽しい
最初は居丈高だった「あくま」もすっかり主人公に感情移入してしまい、威厳たっぷりだった口調もいつのまにか、悩みを打ち明けられた友達のように変化していく。
物語の続きを読むためには「NO」を選ばなくてはいけないのだが、このタイミングで「YES」と答えたら一体どんな結末を迎えるのだろうか…?
プレイヤーはそんな板挟みの中で葛藤するようにデザインされており、シンプルなゲーム性ながらもついつい引き込まれてしまう。
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■GB愛に溢れた作品
制作者のあとがきによると、「GB Studio」を用いたゲームのコア部分は、わずか5日間で作られたという。
また、好きなゲームに『カエルの為に鐘は鳴る』『魔界塔士Sa・Ga』などゲームボーイの名作ソフトが多数挙げられており、作品にも込められていた強い「ゲームボーイ愛」を感じる内容となっていた。
なお、紅狐氏が所属するVODKAdemo?と株式会社room6は4月6日、新作ADVゲーム「MINDHACK」のSteam早期アクセスを開始した。
『DON’T SAY YES』をプレイして興味が湧いた人は、そちらもチェックしてみてはいかがだろうか。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)