厚労省、カンピロバクター食中毒多発を警告 担当者に注意点を聞いた
子供や高齢者など、抵抗力の弱い人は重症化しやすく、まれに「ギラン・バレー症候群」を発症する。
カンピロバクター食中毒は、細菌性食中毒の中で近年発生件数が最も多く、年間300件・患者数2,000人程度で推移している。夏は特に注意が必要で厚労省がSNSで警告中だ。
■重症化することも
カンピロバクターは、ニワトリやウシなどの腸管内にいる細菌で、少量の菌数でも食中毒を発生させる。鶏のさしみ、レバさし、たたき、とりわさなどで多発中。食べてから1日から7日で、下痢や腹痛、発熱などの症状がでる。
子供や高齢者など、抵抗力の弱い人は重症化しやすく、まれにギラン・バレー症候群を発症。手足のマヒやしびれが起こり、進行すると歩行や呼吸が困難となり、後遺症が残ることもある。
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■市販鶏肉に高確率で存在
2016年のゴールデンウィーク中に東京・お台場で行われた肉フェスでは、カンピロバクターによる食中毒患者が500名以上発生。イベントのホームページでは「新鮮だからこそできる鶏ささみ寿司」などとアピールし、加熱不十分な鶏肉が提供された。
厚労省の各種調査では、市販鶏肉からカンピロバクターが検出される割合は20%から100%と幅がある。しらべぇ編集部の取材に対して担当者は、「市販されている鶏肉には、かなり高い割合でカンピロバクターが存在すると考えたほうが良い」と話す。