8割以上の人が正しく読めた『駱駝』 大量の水を蓄えるのはコブではなかった
荷物を背負って砂漠を旅する動物と聞いてイメージするのは…。
背中のコブに脂肪を蓄え、過酷な砂漠を旅するあの動物。その名は難読漢字でありながら、多くの人から親しまれていた。
■「駱駝」を何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「駱駝」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で87.0%の人が「らくだ」、13.0%の人が「ろば」と読むと回答した。
「らくだ」と読む人は男性が89.9%で女性が84.0%。「ろば」と読む人は、男性が10.1%、女性は16.0%という結果に。
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■正しくは「らくだ」
「駱駝」の正しい読み方は、「らくだ」。ウシ目ラクダ科ラクダ属の動物の総称で、西アジア原産で背中に1つのコブを持つヒトコブラクダ1種と、中央アジア原産で2つのコブをもつフタコブラクダが2種、合わせて3種が存在する。
背中のコブには脂肪があり、エネルギーを蓄えるとともに、断熱材として体温の上昇を抑える役割も担っている。また、1度に何十リットルもの大量の水を飲み血液中に蓄えることで、数日間水を飲まずに過ごすこともできるという。
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■家畜化したのは砂漠の遊牧民
その名の由来については諸説あるようだが、「駝」には家畜に荷物を負わせるという意味があり、中国名である「駱駝」に由来するというのが有力なようだ。
最初にラクダを家畜としたのは古代オリエントの遊牧民であるアラム人ではないかと言われており、荷物運搬に使って隊商を組む通商民として歴史にも登場している。
砂漠を旅する民にとって、厳しい環境に耐え、1頭で200kgもの荷物を運ぶことができるラクダは生活に欠かせない生き物だったというのが、使われている漢字からも読み取れる。
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■「ろば」の漢字は「驢馬」
一方の「ろば」は「驢馬」と書く。その名は漢語に由来するという。哺乳綱奇蹄目ウマ科ウマ属ロバ亜属の総称で、乾燥した環境や山道などにも強く、体が丈夫で粗食でも生きられる。
主に食料の乏しい地域に生息するロバは群れを作らず単独行動をとることが多い。群れて生活をするウマに比べて統率を取るのが難しく扱いにくいが、体の丈夫さゆえに管理がしやすいことから、こちらも、古代より乗用、荷物の運搬用に重用されていたようだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)