知っていたのは約2割 「井の中の蛙…」に続くポジティブな言葉とは
狭い世界で物事を追求するからこそ得られる深い知識や経験もあるのだ。
「井の中の蛙大海を知らず」とは、広い世界のことを知らない人に対して揶揄するように使われる言葉だが、このことわざの本当の意味を理解している人は、どれくらいいるだろうか。
■「井の中の蛙…」には続きがある
Sirabee編集部が全国の10代〜60代の男女662名を対象に実施した調査では、全体で21.8%の人が「“井の中の蛙大海を知らず”に続きがあるのを知っている」と回答した。
なお男女別に見ると、男性は24.5%、女性は18.9%という結果になっている。
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■聞いたことがある気はするが
編集部が話を聞いた30代の男性は、「続きがあるというのを聞いたことはありますが、内容まではわかりません」と述べた。
「悪い意味ではなかった気がするのですが、定かではないです」とそのとき受けた印象をぼんやりと思い出す程度のようだった。
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■中国の古典「荘子」の一節が語源
「井の中の蛙大海を知らず」は、「狭い世界での経験や知識にとらわれて、広い世界があることを知らず視野が狭いさま」を指す言葉として知られ、“世間知らず”、“ひとりよがりと”いった意味で使われている。
その語源は、中国の古典「荘子(そうじ)」の中の一節「井蛙不可以語於海者、拘於虚也」で、「井戸の中の蛙には、海のことを話してもわからない。蛙が狭い環境にとらわれているからである」と訳される。
「荘子」では「夏虫不可以語於冰者、篤於時也」(夏の虫には氷のことを話してもわからない。彼らは季節というものは夏だけだと思いこんでいるからだ)と、夏の虫にも例えて語られている。
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■狭い世界だからこそ得られる深さ
日本では「荘子」をベースにことわざとなり日常的に使われるようになったが、ここに続きがあるのだ。約2割の人しか知らなかったその続きとは、「されど空の青さ(深さ)を知る」というもので、「狭い世界で物事を追求するからこそ得られる深い知識や経験もある」という意味をあらわしている。
「荘子」にはこのような記述はなく、日本に渡ってから付け加えられた言葉だと言われているが、その出どころは明らかになっていない。ネガティブな表現から一転、同じ環境を違う角度から捉えることでポジティブな一面に焦点が当たっている。
物事の多面性を理解し、評価する人の心の温かさが感じられるこのフレーズが、もっと世に浸透してもいいのではないかと思うのだか…。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
調査対象:全国10代~60代男女662名 (有効回答数)