極楽とんぼと宮迫・中田が結束する理由 ネットメディアの「新しい地図」
極楽とんぼと宮迫博之にまつわる吉本との対立構造と、ネットメディア芸能人の勢力図をメディア評論家が分析。
■広がる「極楽とんぼ」派閥
なお、現在はダウンタウンを中心として吉本興業は一体となっており、その意味で当時のような派閥闘争はない。宮迫が吉本に復帰できないのは、吉本との個人的な確執ゆえ。
とはいえ、加藤の乱を支持した北海道出身芸人や、ロンブー田村淳らの軍団山本のメンバー、松本人志1強体制に不満のある中田など、くすぶった対立がまだあるのだろう。
以上の見地に立てば、山本を支え続けた加藤に対し、コンビの解散を切り出した蛍原徹に対する、「ひろゆき」こと西村博之の批判的視点も成り立つのだ。
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■復活しつつある「新しい地図」
以上の通り、極楽とんぼと軍団山本らのメンバーと、YouTubeを中心に活躍する中田や宮迫の結束が、じつは存在する。ネットメディアは、 芸能界の既存の体制と対抗する重要な足場なのである。
また似たような境遇であり、ジャニーズ事務所と対抗する元SMAPメンバー・稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾が立ち上げた「新しい地図」は、NHKの番組を中心に復活しつつある。
ジャニーズは、ジャニー・メリー喜多川両創業者からの世代交代により、弱体化が否めないだろう。新しい地図には、吉本をはじめとする大手事務所は比較的協力的なことがうかがえる。
■ネットメディアからの抵抗
極楽とんぼなどの吉本の中心的ではない面々らは、全面的に吉本と対立しているわけではない。一方で、宮迫などの吉本と対立の深い面々には、芸能界の他事務所からなかなか救いの手は得られない。
それよりは、YouTubeなどのビジネスと結びつく面々らとともに、ビジネスを起こしながら、彼らはタレント活動に励む。テレビ以外のメディア活動中心となったとんねるずやのんなども含め、ネットメディア中心のタレントが、2022年以降もいかに活躍していくかに注目したい。
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(文/メディア評論家・宮室 信洋)